◎9 住む人、働く人にやさしい環境づくりに携わりたい!
◇核燃料取扱主任者:高度な知識と技術で災害を防ぐ【国家】
・受験資格/特になし
・合格率/約20%
・受験料/4万5700円
1999年9月30日におこった、茨城県東海村のウラン燃料加工施設JOCでの臨界事故は、まだ記憶に新しい。
こうした事故を二度とおこさないよう、核燃料物質の加工や再処理を行う現場で、保安上の監督や安全管理を行うのが核燃料取扱主任者である。
原子炉等規正法では、核燃料物質の加工業者および使用済み核燃料の再処理事業者は有資格者を選任させ、保安・監督にあたらせる義務がある。核燃料を取り扱う施設には今後の課題も多いので、重要で意義のある仕事といえるだろう。
収入アップも見込めるうえ、需要も高い。ただ、受験資格に制限はないとはいうものの、合格には大学卒業程度の学力は必要であり、就労後も高度な知識と技術が要求される。
試験は核燃料の取扱技術や法令などについて行われるが、第1種放射線取扱主任者試験合格者の場合は、放射線の測定および放射線障害の防止に関する技術の試験科目が免除となる。
[問い合わせ先/経済産業省原子力安全・保安院原子力保安管理課 電話03−3501−1511]
◇高圧ガス製造保安責任者(冷凍機械):高圧ガスを安全に扱う【国家】
・受験資格/特になし
・合格率/約60%(第3種)〜約45%(第2種)
・受験料/9400円〜
高圧ガスはとても危険なもの。取り扱いを誤ると大災害を引き起こしかねない。それゆえ、高圧ガスを取り扱う事業所などでは、安全を確保する役割をはたす高圧ガス製造保安責任者を置くことが、義務付けられている。
仕事の区分で資格の種類は区別されており、甲種の化学、機械、乙種の化学、機械、丙種の化学(液石と特別科目)、さらに冷凍機械の第1種〜第3種。甲種は大規模な高圧ガス製造事業所向き、乙種は中規模、丙種は中小規模向きだ。
狙い目は冷凍機械部門で、需要が増加しているわりに有資格者が不足気味の分野だ。
この仕事は高圧ガスを用いる冷凍設備を設置している事業所で、高圧ガスの製造に関する業務を管理するもの。大型冷凍空調機器を備えているビルや冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場など、活躍の場は少なくない。就職にも有利で、キャリアアップにもつながり、高収入も見込める。
[問い合わせ先/高圧ガス保安協会試験センター 電話03−3436−6106]
◇火薬類(製造・取扱)保安責任者:責任重大! 火薬のエキスパート【国家】
・受験資格/特になし
・合格率/(製造)約20%(甲・乙種)〜約70%(丙種) (取扱)約45%(甲・乙種)
・受験料/1万2000円〜
火薬類を使用・販売する事業所は、必ず火薬類保安責任者を置かなければならないと定められている。火薬類保安責任者には製造と取扱の2種類があり、製造は火薬類の製造に関わる保安に関して、製造施設や製造方法の基準適合状況や危害予防規定の遵守状況の監督等を行うというもの。取扱は、火薬類の貯蔵や消費に関わる保安に関して、同様の監督を行うものである。
製造は火薬類の製造数量によって、甲・乙・丙種の3種(乙種は1日1トン未満、丙種は1日300キログラム未満の製造工場に限定)があり、取扱は火薬の貯蔵合計量(乙種は年間20トン未満に限定)または消費合計量(乙種は1か月に1トン未満に限定)によって甲・乙種に分かれている。