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不況でも売れるモノは売れている!
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6 「廉価版コミック」は、本当に“安い”だけで売れたのか?

『不況でも売れるモノは売れている!』
[編]現代ビジネス研究班 [発行] 河出書房新社


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●大人の“こだわり”と“遊び心”をくすぐったら…


海洋堂のフィギュア――フィギュア人気に火をつけ、新たな市場を開拓

『チョコエッグ』だろうが、『チョコQ』だろうが、子供たちにとっては関係のない話。同じように、フルタだろうがタカラだろうが、フィギュアファンにとっては、どうでもいい話なのかもしれない。

 問題はただひとつ。「海洋堂」か(いな)か、それだけなのだ。海洋堂とは、現在、食玩(しょくがん)(食品に付くおまけのこと)&フィギュアシーンで、圧倒的な人気を誇る企画・制作会社のこと。

 この海洋堂、もともとマニアのあいだでは有名なガレージキットメーカーだった。ガレージキットとは大人向けの精密模型のことで、いかに“精密であるか”がマニアにとってのモノサシになる。海洋堂は、まさに群を抜く精密さで、その世界のトップに君臨(くんりん)していた。

 そんなマニアックな海洋堂の名が、広く一般に知られるようになったのは、フルタのチョコエッグの大ヒットがきっかけだった。

 チョコレートのなかに小さなフィギュアが入った一五〇円のチョコエッグは、当初子供向けに開発されたものだった。ところが、そのフィギュアの精巧さが大人たちの“オタク心”に火をつけ、一か月に八〇〇万個も売り上げるという爆発的ヒットとなった。そのフィギュアを制作したのが海洋堂だったのだ。

 しかし、その後海洋堂はフルタと離れ、新たなパートナーにタカラを選んだ。そしてタカラは二〇〇〇年九月、海洋堂のフィギュアを仕込んだチョコQを発売。しかも、チョコエッグ時代の日本の動物シリーズを引き継ぐかたちで、「日本の動物第六弾」としている。

 考えてみれば、発売元も異なるまったく別の製品なのに、「おまけ」の通し番号を引き継いでいることになる。もはやおまけではなく、海洋堂の作品という解釈なのだろう。

 チョコエッグとともにブレイクした海洋堂だが、その活動範囲はますます広くなり、定番のアニメものから、ゴジラなどの特撮怪獣もの、荒俣宏(あらまたひろし)監修の妖怪ものなどを展開している。フィギュアの世界は、まだまだ広くてディープな、二一世紀の数少ない成長産業なのだ。

廉価版(れんかばん)コミック――本当に「安い」だけで売れたのか?


 芥川賞受賞作品を収録した新刊一八〇〇円を、のべ一二時間かけて熟読したとして、時間単価は一五〇円。おもしろくて止まらないミステリーの文庫本五八〇円を五時間で読了したとして、時間単価一一六円。ようやく発売になったコミックの新刊五〇〇円を三〇分で読み終えてしまったら、時間単価はなんと一〇〇〇円。

 そう、時間単価で比べると、マンガは高級品なのだ。

 ところが、世の中はデフレスパイラル。牛丼、ハンバーガーと、“サラリーマンの友”は軒並み値下げの時代だ。

 ならばコミックも、というわけで登場したのが、廉価版コミックである。かつての名作、人気コミックが税抜き二八六円というお手ごろ価格。コンビニでお弁当と一緒に買っても、一〇〇〇円でおつりがくる計算だ。

 この廉価版コミックが、このところ、コンビニでヒット商品になっている。登場してまだ数年なのに、あっというまに年間一〇〇億円市場に成長してしまった。

 こうした廉価版コミックが登場した背景には、コミックを定価の半額で売りまくる新古書店の台頭がある。おかげで、消費者は安くコミックを買えるようになったが、一度売れた本がリサイクルされていては新刊が売れないため、出版社や漫画家たちはあがったりである。

 廉価版コミックは「新古書店に対抗し、かつ流れにくい雑誌感覚のコミックを」という出版社側の巧妙(こうみょう)な戦略でもあるのだ。

 この廉価版コミックの成功は、価格面だけではなく、コンビニという販路も大きなカギになった。書店のコミック売り場やコミック専門店に行くほどのコミックファンでなくても、コンビニの棚に並んでいれば、サラリーマンやOLが気軽に手にとってくれる。
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