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なぜ日本人は英語を間違うのか?読むだけで英語力が身につく!「英語と日本語 コトバくらべの面白さ」
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生き方・教養
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はしがき

『なぜ日本人は英語を間違うのか?読むだけで英語力が身につく!「英語と日本語 コトバくらべの面白さ」』
[著]牧野高吉 [発行]スマートゲート


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 日本語と英語では一対一の対応をなす語いがあまり多くないというと、驚かれる方も少なくないと思います。例を挙げましょう。日本語の「手の指」は英語ではfingerですね。ところが、このfingerはどの指を指すのでしょうか? 答は、「親指」を除く他の4本の指です。「親指」にはthumbという別の語があります。つまり、日本語の「指」と英語のfingerでは指し示す部分・対象が異なり、これらは一対一の対応をなしていません。この例は、日本語よりも英語のほうが細分化されていて、日・英語の語いにズレがあることを示しています。


 では、日本語の「ご飯」に相当する英語は何でしょうか?riceですね。英語では、田に植えられている状態でも、調理されて食卓に上っている状態でも、rice一語で表されます。ところが、日本語では「籾(もみ)」、「稲」、「米」、「ご飯」と、その状態によって使い分けられますね。「ご飯」でも、お茶碗に盛れば「ご飯」で、お皿に盛れば「ライス」、丼(どんぶり)に盛れば「メシ」と区別して使われることさえあります。


 さらに、英語のhairも、日本語では生えている部位によって「髪」と「毛」とに使い分けられます。これら2つの例は、「指」の例とは反対に、英語よりも日本語のほうが細分化されていることを示しています。ここでも日・英語の語いにズレがあることがわかります。英語学習では、これらのズレを克服する必要があります。


 また、日本語にはかなり多くの「カタカナ語」があります。「カタカナ語」は外国語、特に英語が基になっているものが多くあります。その多くは日本語の中で意味やニュアンスを変えて一人歩きしています。たとえば、試験での不正行為を日本語で「カンニング」と言いますが、これは英語のcunningからと考えられます。ところが、cunningに「ずる賢い、抜け目ない」の意はありますが、「不正行為」という意はありません。試験での「カンニング」に相当するのはcheating(インチキなどをして人をごまかすこと)です。さらに、日本語の「モーニング・サービス」は一人暮らしの社会人や大学生に人気がありますが、英語のmorning serviceは教会での「朝の礼拝」を意味し、食べることはできません。「モーニング・サービス」は英語でbreakfast specialと言います。


 このように、日本語化している「カタカナ語」と「英語」には意味のズレがあります。「カタカナ語」の多くは何となく英語らしい感じがするので、そのまま英語として使いがちです。しかし、実際には、英語とは意味が異なっている場合が多いので、意思の疎通がうまくいかないばかりか、要らぬ誤解を生じることもあります。言い換えると、カタカナ語と英語とのズレも英語の学習や使用の大きな障壁になっています。英語を正しく使うためには、これらのズレをも克服しなければなりません。


 さらに、「色、動物、食べ物」のもつイメージやそれらを使った表現も、日本語と英語では異なります。たとえば、「猥褻(わいせつ)、エロっぽい」をイメージする色と言えば、日本人はすぐにピンク(古くは、桃色)を思い浮かべますね。しかし、英・米人はpinkではなく、blueを思い浮かべるのです。また、「犬」は、日本でも英・米でも一番人気のペットですね。「犬」に対しては、日本人ばかりでなく、英・米人も「忠実な動物」というイメージを抱きます。しかし、犬を使った表現となると、日・英語ともにマイナス・イメージのものが多いのです。日本語では「犬死にする、犬畜生」などがその例です。同じく、英語にもdog's life(みじめな生活)、go to the dogs(落ちぶれる、破滅する)など負の表現が多くあります。


 ところが、日本語と英語には上に挙げたようなズレばかりではなく、表現も意味も同じもの、似ているものも少なくありません。たとえば、「壁に耳あり」は英語でWalls have ears.と言います。また、「コップの中の嵐」はa storm in a teacupと表現します。このように、日本語と英語には、驚くほど類似の表現もあるのです。


 また、日本人も英・米人も、物事を印象強く、かつわかりやすく表現するために比喩表現を使います。たとえば、「朝飯前」は英語で何と表現するかご存知ですか? a piece of cakeと表現します。ケーキなら、食後でも、お腹が一杯でも、何の苦もなく食べられますね。ここから、a piece of cakeが「いとも簡単な」の意で使われるようになったのです。では、「絵に描いた餅」は? これは、a pie in the sky(空にあるパイ)と表現します。どんなに美味しそうなパイでも、空にあったのでは手に取って食べることができませんね。これでは、「絵空事」にすぎません。


 本書の第1章では、「日本語と英語の語いのズレ」について、第2章では「カタカナ語と英語の意味のズレ」について、例を挙げながら解説します。第3章では、「色、動物、食べ物」のイメージと、それらを使った面白い表現を紹介します。さらに、第4章では、「似ている日本語と英語」を、最後の第5章では、字面からは何を意味するか見当がつきにくい「日・英語の喩え表現」を紹介します。


 本書の目的は、読者の方々が、見落としがちな英語と日本語のコトバの相違点と類似点を十分に理解し、英語を正しく使っていただくよう手助けすることです。本書により、多くの読者の方々が、誤りの少ない、上品で、かつ表現豊かな英語表現を身につけられることを望みます。


 最後になりましたが、本書の出版に際して、Tim Jerding氏には、本書に挙げたすべての英文をチェックして、より自然な英語にしていただきました。ここに記して感謝の意を表します。


2014年7月

牧 野 高 吉

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