ソンドラ・ロック
クリント・イーストウッドの長年のファンとしては人後に落ちないつもりで、その作品をほとんど支持してきたが、「インビクタス〜負けざる者たち〜」はどうもいただけなかった。ど真ん中ストレートの感動実話として、もちろんウェルメードなのだが、イーストウッドの映画としてはヒネリも毒もなさ過ぎで物足りないことおびただしかった。まあ、ほとんどの評論家が絶賛しているし、ボクの意見はごくごく少数意見なのだが、最近はイーストウッドを“神様”扱いにする論調が目立つのは困ったことだ。だいたい、映画監督を“神様”“天皇”扱いするとロクなことはない。黒澤明しかり、鈴木清順しかり、アルフレッド・ヒッチッコクしかり、スタンリー・キューブリックしかり。