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(2021/11/26 追記)

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都市伝説 信じたくない恐怖
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エンタメ
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第二の扉…人気商品の怪しい噂

『都市伝説 信じたくない恐怖』
[編]現代ふしぎ調査班 [発行] 河出書房新社


読了目安時間:30分
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 都市伝説の重要な要素に「身近」ということがある。

 誰もが知っているお店や企業にまつわる意外な話。

 有名な食品や製品、キャラクターにまつわる奇妙な伝説。

 身近な店や広く売られている人気商品は、共通の話題として格好のものであり、共鳴を呼びやすいのだ。

 たとえば、長きにわたって放映され、かつ高視聴率を誇るアニメにかんするさまざまな噂もそうである。

 それらアニメの「謎」を追求する書物も出版され、それがまた、ベストセラーになった。

 そして最近では、食品をはじめとする人気商品の偽装表示がまかり通っていたことが(あば)かれ、連日マスコミを(にぎ)わせている。ただし、これら一連の偽装は、あまりにジョーク性が薄すぎるため、都市伝説にまで昇華(しょうか)する可能性はきわめて低いが……。


「コカ・コーラ」に潜む“極秘レシピ”

 炭酸飲料の世界王者といえば、何と言ってもコカ・コーラ。都市伝説の世界でも「コーク」はまさに“帝王”の名を欲しいままにしている。なかでも際立(きわだ)っているのが、コークの原料や成分にかんする都市伝説だろう。

 そこで真っ先に思いつくのが「コーラを飲むと歯や骨が溶ける」という話だ。しかし、これについては「酸性の溶液に炭酸カルシウムが溶ける現象は、オレンジジュースなど酸性の飲料共通の現象であり、そもそも日常生活で歯や骨を長時間コーラに漬ける場面自体がない」ということで噂に終止符が打たれた。

 ちなみにこの伝説の“発展形”が「コカ・コーラのタンク車から原液が()れて、道路のアスファルトが溶けた」「骨肥大化症の患者にはコーラを飲ませて骨量を減少させる」などである。

 また、かつて「コークには避妊効果(殺精効果)がある」という都市伝説も存在していたが、「(コークを含む)酸性溶液は“Y精子”を殺精することは可能だが、“X精子”には効果がないため実効性はない」という指摘が広まってあえなく終息を迎えた。

 さらに「コークの製法を知っているのは世界でふたりだけ。そのため危機管理上、ふたりは同じ飛行機に乗ることを禁止されている。しかもレシピは前任者の臨終(りんじゅう)間際に口頭(こうとう)で伝えられる」といった伝説もある。

 だが、情報の共有を最低限に抑えて企業秘密を保全したり、重要なポストにいる人物たちが同じ飛行機に乗るのを禁止することは、一流企業であればそれほど特別なことではない。

 また死に(ひん)した前任者が必ずしも口をきけるわけでもない以上、この伝説には無理がありすぎる。秘伝のレシピはCEOの金庫に書面で厳重に保管されていると考えるのが妥当(だとう)な線だろう。

 じっさい、コカ・コーラのレシピは公開されておらず、ライバル会社が、コカ・コーラを真似て類似品(るいじひん)を販売するが、完全に味を再現できていない。ちなみに、1984年にこのレシピは一度変更されたのだが、不評で3か月後に元に戻されている。

 そのほか、ちょっとやっかいな(たぐい)のものとしては「コカ・コーラの“コカ”はコカインの“コカ”。コーラに習慣性が強いのはそのせいだ」という伝説。なぜやっかいかと言えば、一部“事実”を含んでいるからである。

 じつはコカ・コーラは薬用の希釈(きしゃく)用シロップが原型で、効能は滋養強壮(じようきょうそう)や頭痛の緩和(かんわ)だった。開発者であるアトランタの薬剤師のジョン・S・ペンバートンは、調合の途上で、南北戦争でモルヒネ中毒に(おか)された負傷兵の治療にコカインを使用できないかと考えてシロップに配合、「フレンチ・ワイン・コカ」と命名して販売を始めたのである。ちなみに、これが世界のコカ・コーラへと発展していったのは、助手が水と炭酸水を取り違えて希釈したことがきっかけだったという。

 しかしこの“コカイン入りコーク”は1903年、アメリカでコカインの販売が禁止されるとともに、その短い歴史に幕を閉じたのだった。


「ファンタ・ゴールデンアップル」の謎

 21世紀に入って一気に火がついた“復刻ブーム”。この流行初期にあたる2000年前後に、ある「論争」がインターネット上を(にぎ)わせていた。それは、ひとつの書き込みから始まる。
「“ファンタ・ゴールデンアップル”を復刻してほしい」

 しかし、その書き込みにたいし「そんなフレーバーはない!」といったツッコミが殺到。肯定派、否定派、双方が入り乱れての大論争に発展した。

 結論から言えば「“ファンタ・ゴールデンアップル”は実在しなかった」のだが、この「事実誤認」が大きな論争に発展した主たる原因は、まず発売元の日本コカ・コーラ社が過去の製品情報をウェブ上に掲載していなかったこと。そして似たネーミングのフレーバーが過去に発売されていたことにある。

 その、似たネーミングの商品とは1975年に発売された「ゴールデングレープ」のこと。味自体は定番の「グレープ」と同じだが、見た目は着色料を使わなかったため、まさしく「ゴールデン」な色だったのだ。

 また、この勘違いに拍車をかけたのが、その前年に発売された「アップル」の存在だ。つまり同時期に発売・販売されていたため、このふたつのファンタが混同されたわけである。

 結局この論争は、有志が発売元に問い合わせ、“ゴールデンアップル”の存在を否定する公式見解を引き出すことで終息に向かったが、日本コカ・コーラ社は、この論争が下火になった2002年10月、“ファンタ・ゴールデンアップル”を発売。
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