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毒の恋愛学
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終わりに

『毒の恋愛学』
[著]藤田徳人 [発行]イースト・プレス


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 最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。この文章を読んでいただいているということは、激しく怒るか、激しく納得したか、いずれにしても心にひっかかったのだと思います。私は真実=毒、として取り扱いましたが、真実ほど嫌われるものはありません。


 例えば、学校の成績が悪い女生徒はセックスの初体験年齢が早く、男性経験も豊富になる傾向があるという真実があります。これは、高校生へのアンケート調査などで明らかなことです。進学校では性的におとなしい生徒が多いのに、成績が悪い生徒たちが集まる高校の生徒は性活動が活発なのです。ぶっきらぼうな言い方をすると、「頭がわるい女性は尻が軽い傾向がある」となりますが、この真実を掲載する報道機関は皆無です。真実があまりにも毒なので、表に出ることはありません。


 では、毒ではないものとは何でしょう? それは真実ではないもの=嘘です。私たちはこれまで、嘘=悪いもの、正直(真実)=よいもの、と教育されてきましたが、実際はその反対になっています。嘘=あたりさわりのないよいもの、であるというのが真実。


 先日、あるテレビ番組で、恋愛のカウンセラー役で出演してきました。最近のテレビ番組には、<やらせ>が多いと聞きます。普通の話ではおもしろくないので、<おおげさな嘘>を出演者に演じさせるわけです。しかし、珍しく今回はやらせがなく、ガチンコ勝負で恋の悩み相談をしたわけです。ところが……


 収録が終わったあと、相談者(出演者)の一人の女性と話をする機会があったので、話をしていたら……なんと、涙を流したのは作り涙で、話も自分を悲劇のヒロインにしたてあげるための、おおげさなものだったということがわかったのでした。私はがっかりです。真剣にアドバイスしているというのに……。


 番組の制作者は、リサーチ会社に出演の女の子探しを依頼します。そしてリサーチ会社が女の子を紹介してくれるのですが、その時点でリサーチ会社は<おもしろいいわく付きの女の子>を選びます。<いわくつき>でない平凡な女性は選ばれません。だから、リサーチ会社に登録する女の子は、その辺の事情を熟知していて、わざと自分の恋愛を悲劇的なものにしたり、誇張して嘘で塗り固めてくるのです。番組制作側はやらせをさせていませんが、すでにリサーチ会社から紹介されている時点で、やらせになってることが多いのです。もちろん、全員そうではないと思いますが、彼女たちはテレビに出るためには嘘をつくのは当たり前と思っているようです。そして視聴者はそれを見て喜ぶのです。真実っぽい嘘がみんな好きですから。


 真実はおもしろくも何ともありません。ところが視聴者はおもしろいものを求めています。だから制作側は嘘を作らなければなりません。だから出演する女の子たちも、その期待に応えて嘘をつきます。これは決して、私が出演した番組の特徴ではありません。よく、女の子が集まって、わいわいトークする系の番組がありますが、彼女たちは<あることないこと>をオーディションの時点で作りまくっています。制作側もそのことを知りません。この風潮の何が悪いのか? それは視聴者が嘘を求めているからなのです。悪いのは視聴者なのです。


 視聴者が嘘を求めている。そして、みんな嘘が大好きという真実が初めて見えてきます。ですが、ここで私が「みんな嘘を求めている」という真実を言うと、それは毒として扱われます。おもしろいことです。


 ですが、この世を生きている上で賢く立ち回るためには、嘘を上手に利用していかなければならないことに気づくはずです。それが真実なのですから。毒をもって毒を制するといいますが、まさに真実を知って真実を制するのです。真実を知れば、嘘が社会を回している。そして嘘をつかなければ生きていくことはできない、ということがはっきりわかるのです。


 できれば嘘をつかずに生きたい! 誰もが思う願望ですが、生きるということは、嘘をつかずに達成できるほど甘いものではないようです。だから、どうか自分に恥じずに嘘をついていただきたいと思います。殴りたいほど腹が立つときに「ありがとうございます」といい、生理的に受け付けない人にセクハラをされたときに「もう〜エッチ」と言ってみてはいかがでしょうか。嘘をつく世界は窮屈ですが、嘘をつかない世界はもっともっと激しく窮屈です。嘘は決して恥じるものではないというのも真実のようです。


藤田徳人
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