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『怒られない技術 「失敗」を切り抜ける心理テクニック』
[著]内藤誼人
[発行]イースト・プレス
仕事をしている人なら、誰もが上司に怒られた経験があるだろう。
欧米の会社では、上司が部下に怒ったりしたら、それこそ「パワーハラスメント」として責任を追及されるが、まだまだコンプライアンス的に後れを取っている日本の会社では、部下に怒る上司の姿が日常的に見られる。
書類の書き方が悪い、電話の受け答えがなってない、果てはコピー用紙のサイズが気に入らないなど、些細なことで怒る上司もいる。上司の怒りに怯えながら仕事をしていると、ほかの部分に気が回らなくなってさらにミスを重ね、また怒られることになる。こうなってくると、まさに会社は地獄と化してしまう。
しかし、同じ上司の下でやっていても、まったく怒られることなく、余裕で企画を通し、仕事のやり方もすべて任され、涼しい顔をして成果を上げている同僚もいることだろう。
その違いは、怒られそうになったときの「対応の違い」にある。
また、「和」を重んじる日本の会社では、「空気」の読めない行動をすると、とたんにまわりの人の怒りを買う。まったく悪意のない発言なのに、気づいたら相手がカンカンに怒っていた、同僚から冷たい目で見られたという経験のある方も多いだろう。
本書では、うかつな質問をして顰蹙を買った場合や、弁解のしようがない失敗をした場合、上司の女性がヒステリーを起こした場合など、日常的なビジネスシーンにおけるありがちな事例を取り上げて、「このような場合には、こういうふうに切り抜ければ怒られないですよ」という具体的、実践的なアドバイスを心理学的にしていく。
だいたい人間が陥りやすい落とし穴というのは、相場が決まっている。共通する要素を含んでいることが多く、特殊なケースはまれである。したがって、日ごろありがちな事例を丁寧に分析することで、怒られないための技術を学ぶことができるだろう。
前置きはこれくらいにして、さっそく講義を開始していこう。
どうか、最後までよろしくおつきあいください。
内藤誼人