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本田の男は骨で闘う 本田圭佑、本田多聞を育てたオリンピアンの日本人の心を強くする言葉
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生き方・教養
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強い男は汚れたものを身につけない。

『本田の男は骨で闘う 本田圭佑、本田多聞を育てたオリンピアンの日本人の心を強くする言葉』
[著]本田大三郎 [発行]あさ出版


読了目安時間:3分
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 長くスポーツ界にいて、トップ選手たちを見てくると、ここぞという本番のとき、勝てる選手にある種の共通点があるのがわかります。


 たとえば身だしなみ。勝てる選手は決して汚れたものを身につけません。


 そう思ったのはメキシコオリンピックのレスリングで金メダルを取った中田茂男選手に会ったときです。


 彼はふだんは温厚で、それほど目立つ選手ではない。しかしオリンピック代表選考会では、他を寄せ付けない抜群の強さで日本代表になります。ことレスリングにおいては、一〇〇%以上の力を出せる選手でした。


 私は彼の練習に立ち会って、直観的に「こいつは強くなるな」と思いました。なぜなら、彼は練習に来るとき、一〇枚以上練習着を持って来たからです。



 一回の練習がだいたい三時間くらい。練習着は汗びっしょりになります。ほかの連中は汗だくのまま練習を続ける。


 でも中田は違いました。汚れた練習着をさっと脱ぐと、汗をふいて新しいのを身につける。そして汗で汚れた練習着は丸めてビニール袋に入れ、家に持ち帰るのです。


 なぜわざわざ新しい練習着に着替えるのか。それは彼がつねに戦場に立つ覚悟で練習に臨んでいたらからです。


 練習も試合も、戦に立ち向かうという意味では変わらない。だから、自分はいつ死んでもいい覚悟で臨んでいる。かりに救急車で運ばれるような事態になっても、誰に見られても恥ずかしくないかっこうでいたいのだ、と彼は言っていました。


 中田は決して強い選手ではありませんでしたが、ふつうの選手と覚悟が違いました。その覚悟の積み重ねが、彼にメダルを取らせたのだと思います。



 テレビで見る限りでは、バルセロナオリンピックの柔道で金メダルを取った古賀(とし)(ひこ)選手やロサンゼルスオリンピックのレスリングで金を取った(とみ)(やま)英明選手も同じです。彼らもいつも清潔な練習着を身につけていました。頭髪もしじゅうカットしていて、髪が伸びているところを見たことがありません。


 それはおしゃれのためではなく、試合で相手と面と向かったときに、自分が優位に立つためでした。汚れた練習着や乱れた髪形は、余裕のなさのあらわれです。そこまで気が回らなかったという証拠。すでに試合前に負けています。


 強い選手はそこまでこだわっていたわけです。



 先日、私はサッカー教室で母親たちに講演する機会がありました。そのとき、サッカーシューズの話をしました。


 サッカー選手にとって足回りは命です。その足を守るのがサッカーシューズ。だから、靴に使うお金をケチってはいけない。できれば四足以上は買って、ローテーションを組んで使いなさい、と言ったのです。


 そしてもっとも強調したのは、サッカーシューズは決して(にお)ってはいけないということでした。これは汗みどろの練習着を着なかった中田や古賀、富山と同じ理屈です。


 私は何も練習着やシューズを新品のものにしろ、と言っているわけではありません。ツギが当たった練習着を着ていてもいい。


 (つくろ)ってあるのは決して恥ずかしいことではありません。破れたもの、汚れたままのものをそのまま身につけているのが恥ずかしいのです。


 強い選手は髪の毛一本、練習着の汗ですら気をつかう。そこまで気を回せる余裕と覚悟があるから、強くなれるのです。

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