『タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?』
[著]戸部田誠(てれびのスキマ)
[発行]イースト・プレス
福岡に帰ったタモリは、親族によって半ば強制的に就職させられた。朝日生命の営業職に就いたが、保険勧誘時に「理論で屈伏させてやろうと、淀みなくしゃべり続けた」のが災いし、成績は振るわなかったという。人は「理論で押しまくられると、感情で反発するもの」だと実感することになる[11]。
苦戦していたタモリを救ったのが2歳年上の先輩、春子さんだった。「この人のところに行きなさい。きっと大口の契約をしてくれるわよ」と、大事な得意先をタモリに紹介したのだ。そのことがきっかけとなってふたりは交際を始め、やがて結婚したという[12]。