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タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?
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エンタメ
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あとがき──僕にとって『タモリ学』とは何か

『タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?』
[著]戸部田誠(てれびのスキマ) [発行]イースト・プレス


読了目安時間:6分
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 2013年1021日。


 3年近くかかって、ようやく本書の草稿を最終章までひと通り書き終えたのが、その日でした。一晩寝かして編集部に送ろう、そう思った翌日、タモリさんの口から『笑っていいとも!』の終了が発表されたのです。もちろん原稿は大幅な修正を余儀なくされました。本書の企画が立ち上がったのは11年6月。まさか発売の頃に『いいとも』が終了するなんて、思ってもみませんでした。



 本書の企画が生まれたきっかけは、南海キャンディーズの山里亮太さんとオリエンタルラジオの中田敦彦さんでした。ふたりはテレビ番組で11年の5月末から6月初めにかけて、タモリさんにまつわる興味深い話を立て続けに語っていたのです。僕はそれをまとめ、個人ブログ「てれびのスキマ」に記事として投稿。そしてツイッターに「こういうタモリさんのエピソードや発言をまとめた本を作ってみたい」と書いたのです。すると本書の担当編集者であるイースト・プレスの堅田浩二さんが、真っ先に声をかけてくれました。


 すぐに打ち合わせをし、書籍化前提で本格的に資料を集め、まずそれらを読み漁ることから始まりました。最近では滅多に雑誌のインタビューなどに出ないイメージのあるタモリさんですが、80年代頃は意外なほど多く登場していたことにまず驚きました。そしてその発言の数々が、想像以上に今と変わっていないことにまた驚かされました。



 ところで「てれびのスキマ」というのは、僕がまだ会社勤めをしていた05年から個人で始めたブログで、その最初の記事もタモリさんについてでした。テレビ番組やその出演者の魅力をより多くの人と共有したいと思い、当時はまだほとんどなかった、テレビ番組での発言を抽出し書き起こした記事を中心に掲載。それをきっかけに雑誌やWEBなどから声をかけていただき「てれびのスキマ」名義でコラムなどを書かせていただけるように。お陰様で連載も増え、本書のような書籍原稿の仕事も滞りがちになったため、意を決して13年秋に十数年勤めていた会社を辞め、フリーの文筆家になりました。



 最初の打ち合わせの時、僕は「1年後くらいには完成させたい」などと甘い見通しを立てていたのですが、やはりタモリさんを捉えるのは至難の業。送った原稿はボツになるばかり。完全に迷走し、出口が見えない時期がありました。


 しかし、事態は大きく動きます。


 タモリさんを司会に据え放送された、12年の『27時間テレビ』。それを見た僕の目の前に光が射したような気がしました。この番組にはタモリさんのエッセンスが詰まっている。この番組を縦軸にして書けばいいのではないか、と。


 その放送の翌週の日曜日、僕は数時間で一気に本書の第1章にあたる「タモリにとって『偽善』とは何か」を書き上げました。


 本書はもともと書き下ろしの予定でしたが、書き手である僕のモチベーション維持や読者の方の反応を見るために、イースト・プレスが運営するWeb文芸誌「マトグロッソ」に掲載しませんかという提案を受け、12年8月にアップ。すると、僕にとっては空前にして絶後のありがたい反響が数多く返ってきたのです。



 僕が本書で書きたかったのは「僕のタモリ論」ではありません。凡庸な僕の考えなんてどうでもいい。そうではなく、これまでのテレビ、ラジオ、書籍、インタビューなどの発言やエピソードを抽出し、タモリさんの“哲学”を浮かび上がらせることがしたかったのです。


 それは「観念」に縛られることを嫌うタモリイズムに反することなのかもしれません。けれど、そんなタモリイズムに囚われることもまた、タモリイズムに反するのではないかと思うのです。


 また本来であれば、タモリさん本人や周辺の人たちへ直接インタビューしたりすれば、より深いタモリさんの哲学を知ることができたかもしれません。だけどタレントと視聴者という距離感こそが、「タモリ」を知るうえでもっとも適切な距離だと思ったのです。だから本書に引用した発言や紹介したエピソードはすべて、僕のような一視聴者、一読者の立場でも見たり聴いたり読んだりできたものばかり。“ウラ話”的なものは一切ありません。すでに“表”に出ているものをまとめるだけでも、こんなにも立体的に面白く見ることができるんだ、とテレビっ子として証明したい思いもありました。僕は本書でそれを実現できたのではないかと自負しています。もちろん、その対象がタモリさんという、あまりにも魅力的な人物であるということが大きな要因なのだけど。



 本書が、担当編集者である堅田浩二さんの助けなしでできなかったのは言うまでもありません。テーマや構成、方向性などの助言をしていただき、遅々として進まない原稿を根気強く待ち続けてくれ、僕の回りくどく読みにくい文章を整理していただきました。本当は、共著として名を連ねてほしいほど不可欠な存在でした。90年代後半に青春時代を送った僕にとって堅田さんといえば、あの『COMIC CUE』の2代目編集長。不定期に刊行されるこの漫画誌の発売の噂を聞くと、それを探し求め、置いてありそうな街中の本屋を手分けして探しまわるのが、僕と弟の一大イベントのひとつでした。そんな思い出深い雑誌の編集長と一緒に本が作れたことを、当時の僕に言ってもとても信じてくれないでしょう。これほどの幸せはありません。その堅田さんの人脈に頼って、畏れ多いと思いながらも大好きな小田扉先生にイラストを描いてもらうことを提案し、それが叶った時の嬉しさったらなかったです。また、共同編集をしてくださった浅井さんをはじめ、本書に関わっていただいた方々、やる気を起こさせてくれた友人たち、感想や励ましを寄せてくれた方々、一人ひとりにお礼を言って回りたい気持ちでいっぱいです。どっちを向いても感謝です。


 何よりもタモリさんに。そして、妻に。


 最後に、本書を読んでくださった方々、そしてまだ読んでない方にも感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。



 2014年3月

戸部田 誠(てれびのスキマ)



あまりにも長大、詳細すぎて本書収録を断念した、

タモリ誕生から現在までの「大タモリ年表」を、

Web文芸誌『マトグロッソ』(http://matogrosso.jp)内で公開しています。

ぜひ併せてご覧ください。


[初出]

以下の4つは『マトグロッソ』に掲載、そのほかはすべて書き下ろしです。


 1 タモリにとって「偽善」とは何か(2012年8月)


 2 タモリにとって「アドリブ」とは何か(2012年12月)


 3 タモリにとって「意味」とは何か(2013年1月)


 4 タモリにとって「言葉」とは何か(2013年4月)

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