北川　まずは今回の対談をお受け頂いた、藤田一照さんに感謝します。お願いした経緯を簡単に説明しますと、本書を制作するに当たって、編集側から「他分野の方との対談を収録したい」というオファーがありまして。その相手として私の方から指名させて頂いたんです。というのも、本書のテーマは「怒り」。この感情を精神や心ではなく、身体の問題として扱うシステマ式のアプローチを紹介しています。それを書いている最中にたまたま、身体に関わる仕事をしている複数の知人から、一照さんのことをほぼ同時に聞いたのですね。彼らがとても高く評価しているのでご著書（『現代坐禅講義』）を拝読したところ、精神的修養という印象の強い坐禅に対して、かなり身体性の高いアプローチをされていることが分かりまして。