『普通に働け』
[著]常見陽平
[発行]イースト・プレス
若者の雇用・労働への関心の広がりを感じさせるエピソードを紹介しよう。二〇一三年七月に国土交通省が発表した『国土交通白書二〇一三』の第一章が、若者大特集だったのである。
この白書は、「国土交通」を論じるものなので、若者や雇用は関係ないわけではない。世の中のあらゆる物事はつながっているし、絡み合っている。例えば、観光などにおいて、若者の人口や余暇時間、消費スタイルなどは影響する。雇用・労働といえば、厚生労働省の分野のようで、それだけではない。産業との連動という意味では厚生労働省が関係するし、教育と職業の接続という意味では文部科学省も関係する。内閣府などももちろん関係する。