読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-1
kiji
0
1
1041831
0
お客に言えない業界のヒソヒソ話
2
0
1
0
0
0
0
雑学
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
生放送なのに「ピーッ」音がかぶるカラクリ

『お客に言えない業界のヒソヒソ話』
[編]現代情報ネットワーク [発行]青春出版社


読了目安時間:4分
この記事が役に立った
1
| |
文字サイズ


 生放送のバラエティ番組は、今まさに芸能人がやっていることを同時に見られる“リアルタイム感覚”の興奮と、カメラの前で一体なにがおこるかわからない“スリリングな面白さ”がある。

 だが、視聴者にとってはおもしろくても、番組をつくる側にとってはどんなハプニングが飛びだし、この先一体どうなるのかが見えない分、心配と緊張の連続だ。

 アメリカでもつい最近、あるスポーツのハーフタイムショーにハプニングがあって番組スタッフをあわてさせた。このショーに出演していた有名な女性アーティストが、家族団欒のテレビの時間に、胸ポロリをやって大問題になったのだ。バラエティ番組でディレクターをしているEさんにとっても、身につまされる話である。

 ある日、仲のいい女性タレント2人が出演することが決まり、トークが盛り上がるだろうと、安心していると、この2人が、番組が、始まる直前に大ゲンカ。なにしろ、2人がなにげなくお喋りしているうちに、イケメンだが女癖が悪い某ロック系ミュージシャンが、2人の共通の恋人だということが発覚。三角関係だったのだ。おかげで番組がはじまると、2人はカメラに向かって一応アイドルスマイルはするものの、おたがいひと言も口をきこうとはしない。
(ああ、神様。俺なんも悪いことしてないのに)とEさんが頭を抱える、といった事件も日常茶飯事のことだった。

 そんなある日、関西系のお笑いタレントXがゲストとして出演することになった。このタレントは、たしかに、シャベクリは面白いのだが、つい口が滑って放送禁止用語をポロリともらす癖がある問題児だ。それを見逃さず、全国からすぐにクレームの電話が殺到する。「差別用語を平気で流す番組には金は払えん」と下りかけたスポンサーもいる。

 だが以前、あるディレクターが放送直前に「放送禁止用語は絶対に話さないで!」とXに厳重注意したところ、Xは緊張してしまい、得意の下ネタ&毒舌トークが4割ぐらいにトーンダウンしてしまった……。
「困ったなあ。今日は、Xと仲のいいNもゲストで出るから、ノッてくれば、かなり面白い内容になるんだが」

 またまた頭を抱えるEさん。突然ハッとひらめいた。
(そうだ! このテがあったじゃないか。俺って頭イイ!)

 いよいよ放送開始。Xは、N、I子の2人の合いの手を受けて、次第にシャベクリが快調になっていく。

 そのうちついポロリと「で、俺のチ○コはさ」といってしまった。NとI子がハッとしてEさんを見る。ところがEさんはニコニコ笑ってうなずくだけ。

 Xはそのうちもっと調子にのって「でもさ、ああいうキ○○イは(おり)に閉じ込めたほうがいいよね」

 とまたポロリ。Eさんは依然、ニコニコと笑っている。
(いいよ、いいよ。チ○コでもキ○○イでも好きなだけいいなさい。フッフッフ)

 Eさんが悠然と構えているのも当然。

 実は、この日の放送は、ほんの2秒だけ遅らせて全国の家庭に送っていたのだ。Xがなにをいおうが、マズイときには2秒後に“ピー音”をかぶせてしまうから、家庭で見ているテレビからはピー音しか聞こえない。

 生放送なのに、なぜそんなにタイミングよくピー音が出せるのか、質問の電話がくるかもしれないが、「Xをよく知っているマネージャーが、タイミングよく消してくれた」とかなんとかいっておけばいい。
(おお、俺って本当に頭イイ!)

 Eさんがひとり悦に入っていたとき、ADが飛んできて、耳うちした。
「Eさん、クレームの電話が結構入ってるんですが」
「クレームだって? 放送禁止用語はちゃんとピー音で消してるだろ」
「いえ、それが、あの口の動きはどうみてもキ○○イって、いってるって……」
「口の動きだとぉぉぉぉぉ」

 生放送中なのに思わず大声をあげてしまったEさん。

 そうなのだ。クレーム・オタクはたとえ音を消されても、口の動きを読みとって抗議するほど執念深い人たちなのだった。
「誰か、誰かXを止めろ!」
「け、けどEさん、本番中です……」とAD。
(俺、なにも悪いことしてないのにぃ)

 Eさんは結局、頭を抱える運命から逃れられないのだった。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
1
残り:0文字/本文:1679文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次