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アジア 反日と親日の正体
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政治・社会
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日本だけが政治的に成熟

『アジア 反日と親日の正体』
[著]酒井亨 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:3分
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 日本人がアジアの人たちと付き合う場合、往々にして、黙っていたら外見上、見分けがつかない肌の色に幻惑されてしまう。もっともそれはあまり多くの外国人と接した経験がないからであって、筆者は黙っている人であっても中国人、韓国人、台湾人の区別は大体可能である(もちろん例外はある)。しかし多くの日本人にとって、区別は難しいであろう。


 そうした理解不足こそが「アジアの成長」なるものへの極度の幻想や、「台頭する中国や韓国」に日本がすでに負けているかのような錯覚につながっているのではないか。


 だが筆者の経験から言わせてもらえば、日本はアジア地域の中で、政治的・経済的・社会的にきわめて突出し、抜きんでた存在である。


 だからと言って筆者はアジア諸国を見下しているのではない。そもそも見下していたら、台湾に一一年も住んだり、台湾語で生活できるわけがない。


 ここで筆者が言いたいのは、あくまでも政治、経済、社会発展レベルだけに限定して語るとすれば、日本がアジアの中で群を抜いた存在である、という事実である。


 まず政治について見てみよう。アジアの中で、民主主義の歴史が長く、かつ安定的で、たとえ五〇年後であろうと民主主義が守られていると予測されるのは、日本だけである。日本と並ぶ民主主義国家の韓国と台湾は、民主化してからの歴史が浅いこともあって、日本ほどの安定性と永続性は保障されていない。




 事実、韓国では二〇〇二年の大統領選挙、台湾では二〇〇四年の総統選挙で、いずれも保守反動派がクーデターを起こすのではないかという噂が流れたこともある。台湾では二〇〇四年に、選挙結果を不服とする反動派・国民党が座り込みなどの抗争を展開した。


 タイとフィリピンでも二〇〇〇年代にクーデターが起きたり、民衆革命を経て選挙で選ばれた政権が引き摺り下ろされたこともある。今のエジプトでも似たようなことになっている。アジア諸国では政権に対するデモや騒動が珍しくないのだ。


 ところが、日本では共産党ですら選挙結果にケチをつけて座り込みをしたことがない。


 筆者は、政治が面白いからといって台湾に飛び込んだ。だが、台湾はすべてが政治になっている。最初は面白いが、だんだん疲れを感じてしまう。生活者としては、政治以外にも文化や芸術といった要素もきわめて重要だ。ところが、台湾だけでなくアジア諸国では政治以外の比重が異様に軽い。


 日本人はないものねだりなのか、政治が活発で、経済が高度成長しているアジア諸国を(うらや)んでいる。だが、政治の比重が重いアジア諸国は、その分だけ不安定でリスクが高いということである。どこにも羨ましいところなどない。


 日本は政治的にきわめて安定した民主主義を維持している。政治的にあまりにも成熟しているからこそ、日本ではどの政党が政権につき、誰が首相になっても大して変わりはしない。政治は何も決められない。官僚も意味がない。たかだか数百人の国会議員や数千人の霞が関の官僚で物事が決められるほど、日本国民は愚かでも、日本の市民社会が小さいわけでもないからだ。


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