『アジア 反日と親日の正体』
[著]酒井亨
[発行]イースト・プレス
韓国の政治体制は、台湾ときわめて類似している。これは冷戦時代に「反共の兄弟国家」として双方の交流が密接だった経緯もある。当時は「反共」といっても共産党だけでなく、西欧社民主義などちょっとでも左派に属するものは、すべてタブーで非合法という極端なものだった。一九八〇年代後半の韓国の禁書目録には、マルクスの『資本論』はもちろん、英国保守党員の歴史学者E・H・カーのソ連研究書も、ソ連を扱ったというだけで発禁となっていた。