『アジア 反日と親日の正体』
[著]酒井亨
[発行]イースト・プレス
こうした台湾の歴史を一言でまとめると「外来支配の連続」である。台湾を支配した国家や統治集団は常に外からやってきて、台湾社会から土着の国家が生まれなかった。
台湾社会と文化は重層的である。前述したようにマレー系を基盤に、福建を中心とする漢民族文化が上にかぶさって、これが土着文化を構成している。近代以降は日本統治により日本の影響を強く受け、第二次大戦後の冷戦体制では米国の影響を受けた。