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日本人が知らなかった歴史の顛末
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歴史
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源頼朝の血脈を伝える子孫は、その後どこに行ったのか

『日本人が知らなかった歴史の顛末』
[編]歴史の謎研究会 [発行]青春出版社


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 一一九二年七月、平家を滅ぼした源頼朝が念願の征夷大将軍に任ぜられ、鎌倉幕府を開く。本格的な武家政権の誕生だった。

 頼朝と正妻である北条政子との間には頼家(二代将軍)、実朝(さねとも)(三代将軍)、大姫(おおひめ)乙姫(おとひめ)という二男二女がいた。しかし、いずれも短命であったり、非業の死を遂げている。

 偉大な武家の棟梁・頼朝の血は早々に途絶えてしまったかに見えたが、実は、頼朝の血を継承する男子が一人、実朝亡き後も存在した。歴史の表舞台に上ることもなく消えていったその男とは……。

 その前に、頼朝が北条政子との間に成した四人の子供たちの足跡をたどってみよう。まず、総領の頼家。一一九九年二月に没した父頼朝の跡を受け、一二〇二年七月、二代将軍となる。その間、約三年半の空白が生じたのは頼家に天下を()べる実力がないとみなされ、外祖父北条時政ら十三人の合議制が布かれたからである。

 翌年九月、時政により将軍の座を追われた頼家は伊豆の修善寺に幽閉される。頼みとする妻の父比企能員(ひきとしかず)を時政に討たれ、つづいて弟の実朝に将軍職を襲われた頼家にはもはや抵抗する手だてもないままの伊豆下向であった。

 そして、一二〇四年七月、頼家はこの幽閉先で北条の討手により殺害される。二十三歳の若さだった。

 一方の実朝。兄頼家が追放された後、三代将軍となるが、実権は時政の息子の北条義時(よしとき)に握られていた。そのため、実朝は官位昇進だけを望み、趣味の世界に没頭する。

 実朝は京風の文化に強いあこがれを持ち、妻を京から迎えたり、和歌や蹴鞠に熱中する日々を送る。特に和歌は藤原定家に師事し、家集『金槐和歌集』を作るほどだった。

 一二〇九年に従三位となって公家に列すると、一二一八年には内大臣から右大臣へと昇進する。ときに二十七歳。武家としては異例な、摂関(せっかん)家に並ぶ昇進ぶりだった。

 翌年一月二十七日、実朝は右大臣拝賀の儀式にのぞむため鶴岡八幡宮に詣でる。事件はまさにこの日に起こった。儀式が終わって退席しようとする実朝に、甥の八幡宮別当の公暁(くぎょう)が斬りかかり、あっという間にその首を打ち落としてしまったのである。

 公暁は頼家の二男で、父が殺された翌年に仏門に入れられたという経緯があった。公暁は、父を殺した黒幕は叔父の実朝だと早合点し、敵討ちの機会をうかがっていたのである。しかし、そんな公暁も有力御家人の三浦義村によって殺害され、新将軍になろうとした野望はついえてしまう。実朝に子はなく、こうして源家将軍は三代で途絶えることになる。

 なお、頼朝の娘である大姫は二十一歳で、乙姫に至ってはわずか十四歳で病死する。また、頼家には公暁をはじめ四男一女がいたが、男子はいずれも政争に巻き込まれ若死にしている。残った女(竹御所)は四代将軍藤原頼経(よりつね)御台所(みだいどころ)となり、五人の中で唯一生き残った。しかし、子は残さず、難産が原因で一二三四年、三十二歳で没する。

 実はこの竹御所以外に、実朝没後も頼朝の血脈を伝える男子が一人生き延びていたことはあまり知られていない。それが、頼朝が側室である藤原朝宗(ともむね)の娘(大進局)に生ませた貞暁(じょうぎょう)(法名)である。

 貞暁は頼朝の三男になる。十八歳で出家し、以来、将軍の座をめぐる血生臭い政争に一切関わることは無く、世俗から超然とした立場を貫いた。

 一二二三年には北条政子の援助を仰ぎ、高野山に寂静(じゃくじょう)院を建立する。三代の将軍の追善のために阿弥陀堂を営み、丈六堂本尊の胎内に頼朝の遺髪を納めた。幕府は寂静院を手厚く保護し、貞暁は源氏三代の鎮魂の司祭者として崇敬(すうけい)を集めたという。

 一二三一年、貞暁はこの寂静院で四十六年の生涯を静かに閉じる。これによって頼朝の血を引く男子は完全に途絶してしまった。


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