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双葉十三郎WORKS 8 ジャンル別代表作への招待(上)
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エンタメ
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恋愛映画2/王女も幽霊も恋をする

『双葉十三郎WORKS 8 ジャンル別代表作への招待(上)』
[著]双葉十三郎 [発行]近代映画社


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 前項に続く恋愛映画篇2です。ちょっと角度を変えて分類しましたが、あまりいろいろありすぎて一つ一つの項目がコマ切れになっちゃった。あしからず……。


プリンセスの想い出は「ローマの休日」



 たとえば貴族と平民というような身分違いの恋愛は、喜劇であれ悲劇であれ、恋愛映画の重要なテーマの一つである。古典的な代表といえばウィルヘルム・マイヤー・フェルスターの舞台劇「アルト・ハイデルベルク」で、ネッカ河のほとりにあるハイデルベルクに留学した某国の王子カール・ハインリヒと学生たちが集まるビア・ガーデンの娘ケーティの愛と別れは「想い出」という副題でひと頃の日本の若い世代を感激させた。シグムンド・ロンバーグの音楽によるミュージカル版「学生王子」の映画化(54年)も「皇太子の初恋」という邦題で公開されている。しかし、映画としての出来ばえはてんで感心出来なかった。

 そこで、文句なしの代表は「ローマの休日」(53年)ということになる。この映画の王女オードリー・ヘプバーンとアメリカの記者グレゴリー・ペックの関係は、一般的な意味での恋愛とは言えないかもしれない。いわば秘めたる慕情である。二人はローマの名所旧跡を訪ねて楽しい時をすごすうち、恋愛と言っていい心のふれ合いを感じはじめる。が、それは決してかたちになってあらわれない。だからこそ最後の記者会見で彼が盗み撮りした写真を渡し彼女がさりげない別れの言葉を述べる場面に万感の思いがこもるのである。

 なお、角度を変えて分類すると、恋愛映画には観光ロマンスというジャンルを設定することが出来る。これにはあとで挙げるいろいろな作品も入ってくる。ローマを舞台にしたものでは、ジーン・ピーターズ、マギー・マクナマラ、ドロシー・マッガイアのアメリカ三人娘が三様の恋をくりひろげ、主題歌とトレヴィの泉が評判になったジーン・ネグレスコ監督の「愛の泉」(54年)などもあるが、ウィリアム・ワイラー監督の「ローマの休日」はこのジャンルにおいてもベストと言える。
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