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双葉十三郎WORKS 8 ジャンル別代表作への招待(上)
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エンタメ
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夢を生む伝奇ロマンの楽しさ

『双葉十三郎WORKS 8 ジャンル別代表作への招待(上)』
[著]双葉十三郎 [発行]近代映画社


読了目安時間:10分
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 発掘された古代エジプトの謎の女王が現代の女性にのりうつって再生する「ピラミッド」(80年)に続いて謎の技師が作った秘密の王の墓を発見する「スフィンクス」(80年)が公開される。そこでこの項は伝奇ロマンの代表作をさぐることにしよう。


エジプトの神秘は―「ピラミッド」と「スフィンクス」



 伝奇ロマンという呼び方はずいぶん幅広く使われているが、歴史の裏側にある秘話の類を空想的に飛躍させたロマンで、それを現代に結びつけ冒険サスペンスの味で料理したものが圧倒的に多い。つまり、古い時代の夢を追い求める物語で、その夢はかくされた財宝とか秘密の遺跡とか史実とかけ離れた意外な真相とかにつながる。

 その夢の最大の舞台はアフリカであるが、特にエジプトが横綱格である。このスフィンクスとピラミッドの神秘に満ちた国にはまだ発掘されていない古代の王たちの墓があり、そこには信じられないほどの財宝が眠っている。とすれば夢を追うには絶好である。ハリウッドが初めて大規模なエジプト・ロケを敢行したというのが看板だったロバート・ピロシュ監督、ロバート・テーラー、エリノア・パーカー主演の「王家の谷」(54年)はラホテップ王の墓を発見するまでのお話で、映画としては大味で凡々たる出来ばえだが、墓探しテーマでは最もオーソドクスな作品と言っていい。今回の「スフィンクス」はこのテーマをひとひねりしたもので、レスリー・アン・ダウンの女性考古学者が、王よりも墓を作った謎の技師のほうに興味を持ち、その技師がピラミッドとおなじ手法で第二のホンモノの墓を作ったことをさぐり当てる。趣向の面白さという点だけでなら代表に選んでいいだろう。

 なお「王家の谷」という題名では一九六九年に地元エジプトのシャディ・アブデルサラムが監督した一篇があるが、これは盗掘にからむ村人のドラマで、伝奇ロマンの要素はほとんどない。
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