読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-1
kiji
0
1
1047734
0
迷惑メール、返事をしたらこうなった。 詐欺&悪徳商法「実体験」ルポ
2
0
21
0
0
0
0
エンタメ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
タイプ1▼アダルトサイトを装うメール

『迷惑メール、返事をしたらこうなった。 詐欺&悪徳商法「実体験」ルポ』
[著]多田文明 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:9分
この記事が役に立った
21
| |
文字サイズ



 「大胆○出しフ○ック」というタイトルの迷惑メールが届く。



  子宮の奥めがけて最高潮に勃起したペニスから


  マグナムのごとく発射される精液、


  そして快感の余韻に浸りながらも、


  愛する男の精液を最後の一滴まで絞り取ろうと発射後の


  ペニスを執拗に締め付けてくる女の膣口…


  もう最高…


  子宮の奥めがけてきてほしい今すぐホテルに呼び出してほしい


  女の子が集まってます。



 原文のまま載せてみたが、かなり卑猥でアダルト小説かと見間違えるほどの内容である。ここにあるURLをクリックすると、出会い系サイトに飛ぶようになっている。


 このメールには、そのほかにもいくつかの広告らしきものが載っており、まず目に入ったのは「儲かる仕組み情報」である。どんな内容だろうかと思ってURLをクリックすると、またもやロト6の攻略情報を教えるサイトが出てきた。「またかよ」と思わず叫んでしまった。この種のサイトに誘うものが最近は本当に多い。


 これはすでに業者と戦いずみなので、さらに下にスクロールしていくと、「裏情報解禁」という意味深な広告が出てきた。どんな裏情報なのだろうかと興味を持ってURLをクリックすると、「えっこんな手法があったなんて…失敗続きの私でも稼げそう!!」「どんな方でも月収150万円を稼ぎ出す方法」と書かれたサイトが出てきた。どうやら儲け方を教えてくれるサイトのようだ。


 「今、達成したい目標を教えてください。夢のファーストステージへご案内させていただきます!」とサイトには書いてある。果たして、どんな投資を提案してくれるのか、さらに文章を読んでいった。


 するとそこには、投資の必要性を感じさせるように、年金支給の開始年齢が段階的に引き上げられるなか、あてにならない年金制度に頼らず、新たな収入源を確保して、私的年金の備えを考えるべきだ、現行の年金だけでは絶対に今後の生活は厳しくなる、と訴えていた。


 そこで、新たな一歩を踏み出すために「安心の90日保証で稼ぐ為の手法を始めませんか?」「楽して簡単に稼ぎたい」「安定した収入方法を探している」「老後の不安を解消したい」「そのお金の悩み、解決いたします!!」「初心者でも簡単に継続して利益が出せる投資術をお試し下さい」と言うのだ。


 たしかに年金の支給開始年齢は徐々に上がっており、私が年金を受け取るころにはどうなっているのかわからないという不安はある。老後の資金を自分自身で積み立てていく必要性は日々感じている。


 続いて、この投資術を利用した人たちの成功のメッセージが載っている。この投資法を実践したおかげで「給料の3ヶ月分を1ヶ月に満たない期間で稼いでいます」といったものや、「初月で12万円を達成。翌9月は、25万円の収益をあげました」「特別に難しくないのでこのまま安定して続けていけそうです」、なかには「老後の不安から何か行動に移さなきゃと【無料】であればと資料請求をしました」という若い女性の体験談もある。


 その下には、「お申し込み、資料請求等の問い合わせはこちら」とあり、名前、電話番号、メールアドレスを書くように促している。しかし、ここには肝心な投資方法について、なんの記述もないので不安な部分がある。もう少し検討してから資料請求をしても遅くはあるまい。いったんサイトをあとにした。



「メディアで話題の投資法」の正体


 翌日、「※緊急募集※27日後に800万円が手に入る!! テレビ・新聞・雑誌・インターネットニュースを始めとした多くのメディアに取り上げて頂いております。まずは、一度ご覧ください」という短文の迷惑メールが届いた。


 メディアに取り上げられている内容とはどんなものなのか? 27日後とは、なんとも中途半端な数字であり、気になる。このメールのURLをクリックすると、「構想丸3年 お待たせしました 遂に解禁致します まずは、100名様限定でのご提供となります」というサイトが出てきた。そして、大きな文字で「3ヶ月▼3000万円」とあり、「開始3か月以内に必ず結果をお約束します」「特別なスキルがなくても大丈夫です」とも書かれている。


 さらにページを読み進めると、2012年末現在、会員総数は300人ほどいて、全員1000万~3000万円を稼いでいるというグラフまで載っている。儲かる方法を知りたい人は、まず問い合わせをしてほしいということだ。


 ここには、27日後に800万円が手に入る内容の詳細な記述はなく、うやむやのままページは終わっているが、少しだけ投資法のヒントらしきものが載っている。「物販やアフィリエイトではありません」「株・FX・先物・不動産など投資とは一切関係ありません」とあるのだ。それ以外の投資法とはどんなものなのか、ちょっと私には想像がつかない。


 最後に「初心者でも簡単に継続して利益が出せる」方法を知るために、名前、電話番号を書いて申し込むように促している。私はここを見て、「おや?」と思った。この「初心者でも簡単に」との記述、そしてここにある業者名にどこかで見覚えがあったからだ。


 前日に訪れたサイトをもう一度見てみると……電話番号は同じ。業者名もやはり同じだった。


 それにしても、この業者の言うことはバラバラである。前日に見たサイトでは「月収150万円を稼ぎ出す方法」「先着80名様限定募集」になっていたのに、こちらでは「3ヶ月▼3000万円」「100名様限定」になっている。


 複数のサイトページをつくり、稼げるという文句をさまざまに使い、ひとりでも多くの人を誘導しようとしているのがうかがえる。お金をかけてサイトをつくり、これだけの宣伝を打っている目的は、本当に儲かる投資方法を教えたいからそうしているのか、はたまた多くの人を騙してお金を集める目的かのどちらであろうか。現状ではわからない。どんな投資話を持ちかけてくるのかを知るために、名前、電話番号、メールアドレスを記入して無料会員の申し込みをしてみた。



公営ギャンブルがいちばん確実な投資法?


 すぐに手続きが完了したというメールが送られてくる。


 「この度は《パ○ダイム○○○ジ》にお申込み頂き、ありがとうございます。つきましては、会社説明・会社概要・投資商品のご説明をさせていただく為、『応募フォーム』に記載されたお電話番号にスタッフよりご連絡をさせて頂きます」


 まもなく、携帯に若い男の声で電話がある。


 「ご応募ありがとうございます。これまで投資をなさったことがありますでしょうか?」


 「いいえ、とくにしていません。簡単にどんな投資なのか教えてもらえますか?」


 すると、男は「はい。当社は、外国債、FX、株、競馬や競艇などの公営ギャンブル投資を行っております」と答える。


 たしか、サイトの広告では、株やFXとは関係がない投資法と言っていたはずである。二枚舌の言動で、業者の話に矛盾が生じてきた場合、これから先にさまざまな騙しの(わな)がしかけられている危険性が高い。私は警戒しながらも、


 「なるほど。そのなかでおすすめの投資はあるの?」


 と尋ねてみると、


 「はい。いちばん儲かるのは公営ギャンブルです。こちらをおすすめいたします。公営ギャンブルは理にかなったもので、株やFXと違い、初期コストが抑えられます。利益率がはるかに大きいのです。競艇はご存じでしょうか?」


 「いいえ、やったことがありませんね」


 「そうですか。全部で6艇が出走します。いちばん高い倍率が3連単で、これに賭けてもらいます」


 話を聞くと、どうやら競馬と同じシステムで舟券を買えるということだ。


 「ここだけの話ですが、じつは内部情報があり、すでに着順が決まっているレースがあるのです。これをインサイダーレースといいます。競艇選手に声をかけて、こうしたレースをつくるのです」


 「それはヤラセのレースということですか?」


 私はわざと驚いたような声を出して聞いてみた。


 「はい、そうです。賞金を稼いでくれている人にお願いするのは難しいですが、当社が賞金を稼いでいない人に声をかけて、着順が決まるレースをつくるのです。基本的に3連単の舟券1点に1万円を賭けてもらいます。3連単の倍率が100倍ですと、100万円になります。オッズは事前の調査でわかりますから、お客様には基本的に100倍以上のところに賭けてもらうことになります。その際には情報提供の手数料として事前に当選金額の20を振り込んでもらいます。いままでの的中率は98・3です」


 男は一気に話をする。


 そこで、私が「もしハズレたら?」と尋ねると、「ハズレることは絶対にありません。インサイダーレースですから」と答える。


 でも1・7はハズレる可能性があるのに、「絶対にない」はおかしいよなと思いながら、さらに尋ねた。


 「おたくは、こうした情報を扱って何年になるのですか?」


 「当社は8年ほどになります。当社には政治家や芸能人などの会員様がいます。以前は株などをやっていましたが、やはり公営ギャンブルは利益を出すのが早いというので、こちらをメインにしてご紹介しております」


 そこで、少しイヤミな質問をした。


 「もし事前に情報がわかるのなら、おたくの会社で買って儲けたらどうでしょう」


 すると、男は間髪いれずに答える。


 「本当はそうしたいところですが、じつは、当社ではインサイダーレースを買うことができないのです」


 「なぜですか?」


 「もし国にバレると、会社が処分を受けることになりますから」


 会社が処分を受けるほどの情報内容ならば、個人だってそんな情報を提供されて舟券を買えば処罰を受けるのではないだろうか? 自分の会社では直接に扱わないものを一個人にお願いするなど非常識すぎる。私は「結構です」と即座に電話を切った。


 結局はギャンブルの仕込み情報があるので、それにお金を賭ければ儲かるという話であった。もちろん調べてみたが、そんな仕込みレースは存在しない架空の話であった。



この記事は役に立ちましたか?

役に立った
21
残り:0文字/本文:4074文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次