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戦国武将への大質問
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歴史
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絶世の美女お市は、じつは腕利きのスパイだった?

『戦国武将への大質問』
[編]歴史の謎研究会 [発行]青春出版社


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「スパイ」とは、相手方の秘密をさぐり、その情報を自陣営に流したり、自陣営に有利になるようなニセの情報を相手方に流したりする「情報屋」である。

 織田信長が今川義元に奇襲をかけた桶狭間の戦いでは、「義元は田楽狭間で休憩中である」という情報によって、織田軍はただちに今川軍の背後にまわり、見事義元の首をうちとった。

 信長がいかに情報に重きをおいていたかは、義元の首を討ちとった兵よりも、この情報をもたらした兵に多くの恩賞金を与えたことをみてもあきらかである。

 戦国時代のスパイとしては、忍者、野武士、強盗などがあげられる。が、彼らと同じくらい重要な役割を果たしていたのは、大名家の嫁たちだった。

 当時の大名同士の結婚は一般的に政略結婚で、嫁の役割というのは、両家の関係をよくする一方、いざ関係が悪化したときには、スパイとなり婚家の情報を実家に流すことであった。

 これは、どの大名家にも公然の秘密のようなもので、『信繁家訓』のなかでは、武田信玄の弟である信繁が「武田はたとえ夫婦2人きりのときでも油断なく、決して刀を離してはならない」と家臣に諭している。また、『世鏡抄』では、「10人の男子、7人の女子をもうけたりとも、妻に心を許してはならぬ」とあり、妻に警戒していたことがわかる。

 では、スパイとして有能だった嫁はだれか。それが、織田信長の妹(従兄弟という説もある)、お市である。

 絶世の美女と評判だったお市は、最初の結婚で近江国の小谷城主、浅井長政に嫁いだ。浅井家は越前の朝倉家と昔から同盟を結んでおり、『浅井三代記』(17世紀末ころ)によると、信長はお市を嫁がせるときに、朝倉家に手出しはしないと約束をしている。しかし、信長は裏切って朝倉を攻めようとする。あいだに入った長政は悩んだ末、朝倉方につく。

 ここで、スパイとしてのお市の出番である。お市は、浅井・朝倉両軍が織田軍を挟み打ちしようとしているのを知り、なんとか信長にそれを知らせようと両端を縛った小豆の袋を用意した。「お兄様は袋の中の小豆です。浅井・朝倉両軍に挟み撃ちにあって逃げられなくなりますよ」という意味を込めて。

 信長はそれを受け取り、すぐに手勢をばらばらに退去させ、京都に逃げ込んだ。お市は信長の危機を救ったのである。

 ところで、なぜお市はこのことを知ったのであろうか。先述のように妻のスパイ行為が暗黙の了解だったこの時代、まして信長の妹であるお市に長政がこのような情報を流すわけがない。

 大名家の嫁は、多くの家臣と共に嫁入りをする。その家臣たちがさまざまなところで情報を集め、嫁に伝えるのが普通だった。しかし、たくさんある情報の中で、真実を実家に伝えなければならない。スパイの力量が問われる瞬間だ。

 お市は見事に真実の情報を読みとったわけだが、密かに実家に手紙や贈り物をすればあやしまれる。そこで、戦陣見舞いに重宝されていた縁起物の小豆を浅井家の家臣にもたせることにしたのである。

 しかも、この方法なら証拠が残らない。そこまで考え抜いた行動というのだから、お市は相当賢い女性だったのだろう。

 信長の天下統一事業にお市は重要な役割を果たしていたのである。

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