J氏は自ら三重苦からの出発だったと述べる。
「オレは高卒で学歴はないし、家は貧乏だったから金もなかったしね。それに血気盛んというかね、オレの場合、度が過ぎていたから周りに人が寄ってこなかったからね。ないない尽くしで、何もないところから始めたわけ」
それでも、成り上がりたいという情熱は人一倍強かった。悔しい思いもしてきた。他人には当たり前のものでも、自分には手の届かないものがたくさんあった。成功して、それらすべて逆転させたかった。だから、高校卒業後、がむしゃらに働き、三年間で五〇〇万円を貯めた。
「それを元手に小さな立ち飲みバーを始めたんだ。お昼はちょっとしたランチを出して、二時に閉めて仕込みと準備。