一代で財を成した人たちは、どんな育ち方をしてきたのだろうか。極貧の家庭で子供時代を過ごし、その屈辱感をバネにして這い上がってきた。そんなイメージが湧いてくるが、
「まったく逆ですね」
と経営評論家のR氏はにべもなく否定した。
「悲惨な状況から必死に這い上がってきた立志伝中の人物のほうが注目を集めやすいですから、マスコミもそういう人物ばかり取り上げますが、実際にお金持ちになった人を調べてみると、その多くは中流階級以上、そして両親の離婚もなく、比較的安定した家庭環境で育っています」
そうなのか、イメージとずいぶん違うぞ。逆境をはねのけて果敢に立ち上がってきた人たちが成功を手にするのではなく、一般的にいって恵まれた家庭環境で育った人が財を成していくというのはどうしてだろう。