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怖すぎる都市伝説
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第15夜 ババサレ

『怖すぎる都市伝説』
[著]松山ひろし [発行]イースト・プレス


読了目安時間:3分
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 少年はその日、恐ろしい噂を聞いてしまった。

 手に鎌をもった恐ろしい白髪の老婆の話である。この老婆は背中に大きなかごを背負っており、子どもたちの首を鎌で刈り落としては、かごの中に次々と放り込んでいくという。

 しかし、なによりも恐ろしいのは、この老婆には自分のことを噂されると、それに気づく能力があるということだ。

 老婆は自分の噂を聞いてしまった子どもたちの家に現れて、その首を刈るという。

 この噂を聞いて、怖くてしかたなくなった少年は、寝るまえに家中の戸締りを確認し、震えながら布団にもぐりこんだ。


 それから、どれくらいたったであろう。

 恐怖におびえていた少年が、やっとうとうとしかけたとき、「ドン、ドン、ドン」という戸をたたく大きな音が玄関から聞こえてきた。

 少年の意識は一瞬で覚醒する。

 とっさに耳を澄ましたが、両親が起きる気配はない。

 ふたたび、「ドン、ドン、ドン」という、さっきより一段と大きな音が玄関から響いてきた。

 少年はどうすることもできず、ただただ布団の中で縮こまり、震えていた。

 するとしばらくして、今度は少年の部屋の窓のほうから、「ジャリッ、ジャリッ」という誰かが地面を歩く音が聞こえてきた。

 勇気をふり絞って飛び起きた少年の目に、窓の外、月明かりの中に浮かびあがる鎌をふりあげた老婆の姿が飛び込んできた。

「ババサレ、ババサレ、ババサレ!」


 少年は老婆に向かって大声で叫んだ。これがこの妖怪を追い払うための呪文なのだ。

 するとその途端、老婆の姿は月明かりの中でかき消えるようにして見えなくなってしまった。

 それ以後、少年がこの謎の老婆に(おびや)かされることはない。



【解説】

 ババサレはカシマさんと同じく、話を聞いた人のもとに現れるという要素を持つ現代妖怪です。ババサレという名前は、おそらく「婆去れ」から来ているのでしょう。

 カシマさんも類話によっては「カシマさん、カシマさん、カシマさん」と三度その名前を唱えることで追い払うことができるというパターンがありますので、この点でもババサレは非常にカシマさんと近縁な存在であるといえます。

 このババサレに似たような話としては、「バハアサレ」や「バファーサル」などというものがあります。この話では、最後に老婆に向かって唱える呪文が、「バハアサレ」や「バファーサル」などに変化しています。これ以外の部分ではババサレとほとんど同じ話ですので、おそらく「バハアサレ」や「バファーサル」というものは、「ババサレ」が伝聞過程で変化して、意味を失ってしまったものなのでしょう。

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