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悲しき歌姫 藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾
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エンタメ
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『悲しき歌姫 藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾』
[著]大下英治 [発行]イースト・プレス


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 昭和四十三年秋、純子が十七歳の誕生日をむかえて三カ月後のことである。新宿駅で電車を降りると、東口に出て靖国通りを渡った。

 そのまま真っ直ぐ進むと、歌舞伎町である。が、そこには入らず右に折れた。通りに沿って歩いていくと、先を行く品川芳輝がふり向いた。
「近道を、通っていくからね」

 品川は、左に折れた。細い歩道を入っていくと、バラック建ての小さな飲み屋が、軒を突き合わせてびっしりと建て込んでいる。
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