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悲しき歌姫 藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾
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エンタメ
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藤圭子転落のA級戦犯

『悲しき歌姫 藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾』
[著]大下英治 [発行]イースト・プレス


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 藤圭子の『新栄プロ』移籍は、順風満帆で成功したように見えたが、事件が起きた。

 石坂は、突然、西川幸男社長から電話で呼び出された。六本木にある西川宅へおもむくと、西川が渋い顔をしてこう言った。
「石坂先生、藤圭子を、どういう育て方をしたんだ。村田英雄御大の前で藤圭子が村田の代表作『無法松の一生』を歌ってしまい、御大はカンカンなんだ」

 石坂はその場に藤を呼び、藤を西川に謝らせた。が、実際は石坂が藤に謝りたかった。石坂が無理矢理、『新栄プロ』に藤を移籍させたのだ。その理由は、『新栄プロ』なら演歌の大御所村田英雄がいるが、藤は女だ。
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