この本では、小説の世界に飛び込んで、心理トリックを解説してきました。
殺人事件の加害者と被害者の関係では、配偶者を含む親類関係が最も多く、次に友人を含む知人、その次は職場関係者となっています。極端な表現かもしれませんが、「誰かと知り合いになる」ということは、「恨まれてしまう確率」をアップさせることにもなるんですね。
ちょっとした憎らしさ、俗欲……などは、私たちの心の中に多少なりとも潜んでいて、通常は社会性の脳でコントロールされています。嫉妬、激怒、落胆など、何らかの原因でスィッチが入ると、犯罪とまでは発展しなくても、後悔を伴うような行動を起こしてしまうことがあります。
そうならないためにも、陥りがちな心理知識の情報を持ち、小説や事例を通して対応策を考える体験をしておけば、人の心も、気づいていなかった自分の心も見えてきて、対人関係のストレスが減り、コミュニケーションを楽しめるようになります。
ここでは、『ストレスフリーのコミュニケーション術10のポイント』と、『晴香葉子のコミュニケーション相談室』と題して、日常に役立つコミュニケーションのヒントをQ&A方式でお伝えしていきます。
ストレスフリーのコミュニケーション術10のポイント
Point 1 会話の基本構成を頭に入れておく
会話の基本構成を頭に入れておけば、次に何を話せばいいのかイメージできるので、会話に自信がつきます。
Point 2 内面にプレゼンスを近づける
人は見た目100%。内面と外見のギャップを減らせば、周囲の人も、あなたを理解しやすくなりますし、オンリーワンの魅力が増し、心も軽くなります。
Point 3 断り上手になる
断り上手になるためには、練習が効果的。フレーズはもちろん、声の調子や表情なども練習しておけば、実際に断る時に、脳が過去に経験した事と判断、楽に断ることができます。
Point 4 要望はポリシーとして表明する
気が重くなるようなコミュニケーションをしてくる人がいたら、予め自分のポリシーとして「No」を表明しておくと、ターゲットにはならなくて済みます。
Point 5 自分らしい第一印象に自信を持つ
人は、出会って10分以内にほぼ相手の印象を記憶し、話した内容は、ほとんど覚えていなくても、「受けた印象」は、長く記憶に残ります。第一印象に自信がつくと、人間関係の第一歩を築きやすくなります。
Point 6 「信頼できるかどうか」という判断ではなく、「疑わない」という姿勢で関わる
人と出会ったときは、「信頼できる人かどうか」という判断に意識を向けず、「その人がどういう人であれ、私は疑わない」ということに意識を向けてみてください。たとえ裏切られたとしても、感じるストレスに大きな差があります。
Point 7 好印象を抱いたという情報を伝える
相手にどう思われたかが気になったら、悩んでいるよりも、「自分は好印象を抱いた」という情報を相手に伝えてみてください。その人も安心してあなたに好印象を抱いてくれます。
Point 8 損得勘定が消えるほど楽しむ