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(2021/11/26 追記)

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社員は育てなくていい!「会社の壁」を破る48のルール
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ビジネス
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【29】「精神主義」が、会社と社員の間に壁をつくる。

『社員は育てなくていい!「会社の壁」を破る48のルール』
[著]宋文洲 [発行]イースト・プレス


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 あなたが街を一人で歩いているところを想像してみてください。

 突然、後ろから声をかけられます。「あなた、ちょっと!」振り返ると、エセ宗教の教祖のような怪しい男が立っています。

 そこで、あなたは男にこう言われます。
「これから私を愛しなさい」

 あなたはどうしますか?

 これと同じことをやってきた日本の会社があります。同じこととは何かと言うと、〈愛社精神〉です。

 そもそも〈愛社精神〉というのは変な言葉です。奥さんを愛するのに〈愛妻精神〉などという言葉を使うことはありません。〈愛恋人精神〉とも言いませんし、生まれた国を愛するのは〈愛国精神〉でなく、愛国心です。

 なぜ、そう言わないのかと考えたら、〈愛〉というのは、ごく自然な感情だからでしょう。〈精神〉などと、あらためて主張すべきものではありません。私たちは誰に何を言われなくても、愛する人を愛するし、愛するものを愛します。

 どうして愛するのかと言われれば、「そうなった」としか言えません。もちろん、発端には〈かわいい〉だの、〈格好いい〉だの、さまざまな体験や条件などを通して〈愛〉という感情が芽生えるのですが、少なくとも、〈愛しなさい〉と言われて愛するようになったわけではありません。

 ところが、会社という組織だけが、無理やり〈精神〉という言葉をくっつけて、「オレを愛せ」とやってきました。会社によっては、それこそ入社式のときに、社長が演壇に立って〈愛社精神〉をうたってきたのです。これではエセ宗教の教祖と変わりません。

 理由のない愛を、なぜ求めるのでしょうか。
私は「愛社精神を持て」という日本の会社に、ずっと疑問を持っていました。独立したのが早かったから、会社の中にいて怒ったというより、不思議だから学術的な興味を持ったという感じでした。

 しかし、〈愛社精神〉についての議論はあまりありません。「なぜ、愛社精神を持たなければならないか」という問いに誰も答えてはくれません。まだ何もしてくれない会社に対して、ただ「ここに来たのだから愛しなさい」とムチャな理屈を言っているのです。これは変な話です。

 それで社員が本当に感謝するのか、本当に愛するのかはどうか知りません。しかし、日本のビジネスマンに限れば、会社の〈愛しなさい〉という要求を、ひたむきに努力して、実行しようとしてきたのです。言い方を変えれば、この先進国の日本で、「お前は奴隷(どれい)だ」と言われ、「それが当然なんだ」と疑問視しないような慣習がまかり通ってきたのです。これはおかしなことです。

 さすがに通常の会社では、ことさら〈愛社精神〉などと言うことはなくなってきました。しかし、こんな精神的経営が生んだ(ゆが)みはまだまだ残っています。ですから、このグローバルな実力主義の時代になって、某鉄道会社のような変な問題が立て続けに起こっているのです。
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