『うつ病は90日で90%が治る』
[著]佐藤康行
[発行]ゴマブックス
人間の心の法則の視点から見た肉体の世界
人間は、「肉体」というフィルターを持っていると言えます。「肉体」というフィルターをつけると、世界はどのように見えているのでしょうか。人間の肉体は、五感を始めとする感覚機能を持っています。そして、この、肉体の感覚機能によって世界を認識しています。目で見る、耳で聞く、皮膚で触れる、舌で味わう、鼻で嗅ぐが、五感です。これら、肉体の感覚機能には限界があります。
肉体が認識したり、判別したりすることができるのは、ごくごく限られたものです。つまり、「肉体」というフィルターを通すと、世界のごく一部しか認識することができないということです。また認識できたものしか、存在するものとして認めることができません。
電波という視覚では捉えられないものがあります。今、この時にも、電波は、目の前にあるかもしれません。しかし、人間は、見ても、耳を澄ましても、手をかざしても、これを捉えることはできません。音も、人間が聞き取れる周波数というものがあります。犬だったら、もっと広い範囲が聞こえるでしょう。自分の後ろにあるものは、もう視覚では捉えられず、存在を認めることもできません。人間の五感で捉えられるものには、限界があるということです。
そして、感覚機能に限らず、私たちの肉体には様々な限界があります。例えば、体質は肉体の限界のひとつです。病気も肉体の限界です。病気は、遺伝的な要因が、精神的な要因と結びついて引き起こされます。遺伝的な要因も含めて、全て病気の原因は心です。
例えば、親ががんになったら子もがんになりやすいのです。親が高血圧だったら、子どもも高血圧になることが多いのです。それは、遺伝子によって、肉体の記憶、性格など心の記憶が引き継がれるからです。