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ローマ人が書いたゲルマン人の記録『ゲルマーニア』

『名著で読む世界史』
[著]渡部昇一 [発行]扶桑社


読了目安時間:3分
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 ローマ帝国は長い間、ローマ人からすれば蛮族であるゲルマン民族と、しょっちゅう境界で戦争をしてきました。そのゲルマン民族がどういう民族であるかということについてのいろいろな記録はあるのですが、ゲルマン人側が残したゲルマン人の記録というのはありません。

 ですから、ローマ人の残したゲルマン人に対する記録というのは、日本人にとっての『魏志(ぎし)()(じん)(でん)』みたいなものということになります。ただし日本の場合は、『魏志倭人伝』のほかに日本人が書いた『古事記』『日本書紀』がありますから、話は違ってきます。

 そうしたローマ人が書いたゲルマン人の記録の中で、タキトゥス(五五頃~一二〇頃)の書いた『ゲルマーニア』だけは断然信用できる――。私の恩師であるカール・シュナイダー先生がそういっていました。タキトゥスだけは、いくら研究しても尽きない興味がある、と。他のものとは全然違うということでした。いま、ローマ時代のゲルマン人が、どのようであったかということを知ろうと思えば、タキトゥス以外にはあまりないといってもいいでしょう。
『ゲルマーニア』に従ってゲルマン人のことを見ていくと、どういう民族であったかが書かれているところがあります。まずはゲルマン人の起源です。その起源はいろいろあるのですが、大きく分けて三つということが書かれています。

 ある時期から三種類に分かれたというのです。ゲルマン人が尊ぶ主神に三人の男の子がいて、その支配地が北海に近いほうはインガエウォネース、中間のものがヘルミノーネース、その他はイスタエウォネースとあるわけです。

 それを私の先生の学説に従って説明すると次のようになります。
「天の神Tiu」を氏神にした部族が、タキトゥスのHerminonenあるいはErminonenといわれる部族、あるいは後の学者にはElb-Germanenとよばれた、エルベ川ゲルマン人といわれる部族です。次に、「地の神Ing」を氏神にした部族がIngwaonenとかNordsee Germanen、あるいは北海ゲルマン人といわれる部族です。また、「大気の神Woden」を氏神にした部族が、IstrawaonenとかWeser-Rhein-Germanen、ヴェーゼル=ライン川ゲルマン人といわれる部族です。

 つけ加えておけば、天の神TiuからTuesday(火曜日)、大気の神WodenからWednesday(水曜日)、地の神Ingを氏神とする部族がThorをあがめたところからThursday(木曜日)などの曜日がローマの曜日に合わせてつくられたのです。

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