小学校時代のなんちゃってヒーロー気分をひきずっていた僕は、その気分のまま公立中学校に入学。意気揚々と校内に足を踏み入れたが、はたと不穏な空気を感じた。何か、譬えようもないどんよりとした暗い空気が流れていたのだ。それもそのはず、僕が入学した中学校は、少年鑑別所に収容されるような生徒もいる校内暴力が蔓延する荒れた学校だったのだ。
中学生になっても野球を続けようと考えていたが、野球部には校内で暴力を振っていらっしゃるコワイ先輩方が集まっている様子。危険を察知した僕は、憧れの球児から一八〇度方向転換。無難そうに見えた卓球部に入部し、コワイ先輩の注意を引かないよう、目立たぬよう、細心の注意を払って学校生活を送っていた。