僕が旅したルートは、中国→香港→マカオ→フィリピン→タイ→インド→パキスタン→イラン→トルコ→ギリシア→エジプト→イタリア→フランス→イギリス→アメリカ。そして実は二三歳と二六歳のときにも世界を周っている。二三歳のときには、タイ→カンボジアへ。二六歳では、中国→チベット自治区→ネパール→インド→パキスタン→イラン→トルコ→シリア→ヨルダン→イエメン→エチオピアというルートを巡った。(その道程は二~五ページの地図に詳しく載っている)世界の国々を旅する間、たくさんの出会いがあった。ひとつひとつの出会いはドラマチックではないけれど、たくさんの出会いの積み重ねがあったからこそ、いまの僕がいる。
しかし、多くの出会いに恵まれながらも、北京の夜に感じた「民族的孤独」は、旅をしている間中、まとわりついて離れなかった。