自分がやるべきことが見えてきた。それは「貧困に苦しむ子どもたちを助ける」こと。村田さんの熱いスピーチから思い出される、アジアの国々の強い日射し、土色の街並み、たくましく生きる子どもたち……。すると、これまでの漠然としていた恩返しのイメージが、ぴたっとパズルのようにはまったのだ。
僕が訪れた国のなかには、学校に行かず、生活の手段としての“ビジネス”に勤しむ子どもたちがたくさんいた。例えば、車が信号で止まっているときに、勝手に雑巾で窓を拭いて、窓拭き代を請求する子どもたち。透明のビニール袋にストローを差し込み、袋の三分の一ほども入っていないジュースを押し売りする子どももいた。