今年、二〇一一年の一〇月にネパールに学校を建設した。ネパールは民族とカーストが複雑に入りくんだ多民族国家で、後発開発途上国。僕がこの国を選んだのは、過去のこんな経験からきている。
二回目の世界放浪の旅の途中、ネパールを訪れ、学校で子どもたちに勉強を教えているシャム先生と知り合った。そして、ひょんなことからネパール滞在中の一か月間、シャム先生の自宅に住まわせてもらうことになった。もっとも、先生は仕事があるので毎日僕の相手をするわけにはいかない。日中は近くの街や村を探索してまわる日々。時折、先生のバイクの後ろに乗せてもらって学校へ行き、子どもたちに混ざって授業を受けさせてもらうこともあった(授業では英語を使わないので、話していることはあまり理解できなかったけれど)。