――まずはプロジェクトの活動内容を教えてください。
私たちはカンボジアの“だまされて売られる子ども”を守る活動を行っています。カンボジアでは一〇歳未満の幼い子どもたちまでもが、だまされて売春宿に売られ、傷つけられています。この現状を知り、これ以上幼い子どもたちに辛い思いをさせないよう、主に三つの活動を行い、この問題に取り組んでいます。
ひとつめは、買う側を法律で取り締まるための「警察支援」。カンボジアでは本来子どもを守る立場にある警察官が、子どもを買った人を取り締まる法律を知らないという状況にあります。加えて、警察官による贈収賄も横行していました。これを改善し、警察官自身が法律を理解し、犯罪に対して的確に行動、判断ができるよう訓練を行っています。
ふたつめは、農村の最貧困の女性に職業訓練と雇用を提供する「コミュニティファクトリー経営」。子どもを売らざるを得ない状況をつくらないためには、家庭に安定した収入が必要です。そこで、私たちは農村に観光客向けに生活雑貨を販売する「コミュニティファクトリー」という工房をつくりました。