――まずは活動内容を教えてください。
私たちが行っているのは、一九八九年スタートした読み書きや計算のできない非識字者をなくすための“ユネスコ世界寺子屋運動”という海外支援活動です。
皆さんがよく耳にするであろう「ユネスコ」というのは、教育や文化の面で平和な地球社会の実現を目指す国連の専門機関。日本には国内の三〇〇近い協会が加盟する「公益社団法人日本ユネスコ協会連盟」が設置されていて、さいたまユネスコ協会もそのひとつ。世界寺子屋運動は、ユネスコが長らく取り組んできた活動のひとつなのです。
非識字者と呼ばれる人々は、現在、世界に約八億三千万人いると言われています。そこでさいたまユネスコ協会では、ネパールの子どもたちの識字率向上のため、一〇年以上に渡って支援活動に取り組んできました。具体的には、教室が不足している地域に校舎を建設したり、老朽化した校舎の建て替えをしたりですね。ところが、学校を作っても貧しさから学校に通えない子どもたちが大勢いたんです。そこで、子どもたちの就学をサポートする奨学金支援も行っています。