――事務所にお伺いする途中、運河でカルガモの巣を見ました。
あぁ、それは港区の区民参画事業「カルガモプロジェクト」です。私たちが港区に提案して、芝浦運河に世界初のカルガモの人工巣を作ったんです。実はカルガモって巣で待つヒナに、親がせっせと餌を運ぶような育て方をしないのです。カルガモのヒナは生まれてすぐに自分の力で泳ぎ、餌を取ります。親は常にヒナの傍にいて手本になる。そんなカルガモの親子を観察することで、家族の絆を深めるきっかけづくりになればと、地域の住民の方々と一緒に巣の清掃や給餌を定期的に行っているんです。
私たちは行政と連携を図り、「東京水辺再生プロジェクト」にも取り組んでいます。これは、東京湾を再び美しい海にすることを目指すプロジェクト。生物多様性に配慮した住民参加による護岸づくり、水質浄化、イカダづくりや釣り大会、水上運動会、運河クルーズといった各種イベントの開催などを行っています。水辺のレジャーに関するルールやマナーの啓蒙を行うと同時に、水辺の環境学習、調査・研究を通じて、水辺での楽しみ方を提案し、近隣に暮らす人々が安全で楽しく水辺に親しめる環境づくりを目指しています。