読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/9/29 UP)

犬耳書店は、姉妹店のRenta!(レンタ)へ統合いたします。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-1
kiji
0
1
1056476
0
闇の支配者に握り潰された世界を救う技術<現代編>
2
0
130
0
0
0
0
政治・社会
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
現代科学で再現できない「戦艦大和」の秘密

『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術<現代編>』
[著]ベンジャミン・フルフォード [発行]イースト・プレス


読了目安時間:4分
この記事が役に立った
130
| |
文字サイズ



 失われた技術には、二つの種類がある。「オーバー・テクノロジー」と「ロスト・テクノロジー」だ。


 オーバー・テクノロジーは、その時代の文明の水準から考えて、明らかに優れすぎている技術のこと。一方、ロスト・テクノロジーは、過去に存在していたが、なんらかの理由で消えてしまった技術のこと。時代の最先端を行きすぎて消えたのか、消えるべくして消えたのか、その点を区別する必要がある。


 いくつか例をあげながら説明しよう。


 有名な話だが、戦艦大和(やまと)の主砲は、現在の科学では再現できない。旧日本海軍が製造した戦艦大和は、当時、世界最大の排水量に加えて、口径四六センチという巨砲を積んでいた。


 その巨砲を削ったドイツ製の(せん)(ばん)()は、いまも兵庫県の金属加工メーカーが動態保存、つまりいつでも動かせるような状態で残している。また、主砲の素材となる鉄鋼は、製法もふくめて鉄鋼メーカーが持っている。それでも再現できないのはなぜか。


 それは、鉄鋼を削り出す「職人」がいなくなったからだ。


 大砲の威力を強めるには、口径を大きくすればよい。火薬をたくさん詰めこみ、巨大な弾丸を撃つ。ただし、口径が大きくなるほど、砲塔にものすごい爆圧がかかる。そこで、その時代においてもっとも堅い鋼材を使う。ちなみに、日本の一〇式戦車の砲塔の素材は、原子炉で使われている鋼材を使っている。


 堅い鋼材を削ると、摩擦熱によって鋼材の性質が劣化する。そうならないように、冷却と削り出しをくり返す。この見きわめが、高度な「職人技」なのだ。


 戦前の武器といえば、大砲が主力だった。たくさんの職人が、毎日いろいろな大砲を削っていた。そのなかでもっとも腕のいい職人が、大和の主砲を削った。ところがいまは、それほど大砲の需要はない。ミサイルやロケット弾でじゅうぶんだからだ。そのうえ、大和の四六センチ砲の威力は、いまや半分の口径でできるようになった。


 つくる意味がないから、つくる人もいなくなった。


 失われた技術というより、「捨てた技術」なのだ。


 同じような例として、一九七〇年代のアポロ計画で活躍した「サターン・ロケット」(シリーズⅤ)がある。サターン・ロケットは、二一世紀の現在まで「人類がつくった最高の工業製品」と呼ばれている。実際、サターン・ロケットの一段目は人類史上最高出力のエンジンで、これはいま現在、誰もつくることはできない。サターン・ロケットは、オーバー・テクノロジーのかたまりなのだ。


 サターン・ロケットには、一二〇トンの衛星を打ち上げる能力があった。日本のHⅡA型ロケットの六倍に相当する。実際、サターン・ロケットの一段目は、HⅡAの主力レベルのエンジンを五本組みこんでいる。


 ロケットは、どんなに信頼性の高いものでも、一〇〇回に一回は失敗する。サターンは一段目に五本、二段目にも五本、大型エンジンがついている。それでも失敗することなく打ち上げてきたのは、「ロケットの天才科学者」ヴェルナー・フォン・ブラウンがいたからだ。


 彼はナチスドイツで、V2ロケットを製作。戦後は米国に渡り、何万基というICBM(大陸間弾道ミサイル)をつくった男だ。ある意味、彼はロケット製造の「天才職人」である。


 ゆえに、彼がいなくなればつくれないし、使えなくなる。フォン・ブラウンという「奇跡」が、五〇年先の技術「オーバー・テクノロジー」を無理やり実現させたわけで、今後、彼のような天才が登場しないかぎり、サターン・ロケットの発展は止まる。彼の死によって終わるのだ。


 しかし、需要があれば技術は進んでいく。たしかにサターン・ロケットの進化は止まったが、それに代わる別の技術はどんどん生まれているのだ。


 二〇一四年七月、打ち上げに初成功したロシアの「アンガラ・ロケット」は、最終的に七本のロケットを束ねて、一二〇トン級の打ち上げ能力を備える計画になっている。このアンガラ・ロケットは、「酸素リッチ」にすることでサターン型の倍の出力を実現。技術的な課題をクリアした。


 必要な技術は、別のアプローチで発展していく。生物の進化と同じで、発展性のない技術は捨てて、より発展性のある方向へ活路を見出すわけだ。


この記事は役に立ちましたか?

役に立った
130
残り:0文字/本文:1728文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次