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闇の支配者に握り潰された世界を救う技術<現代編>
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政治・社会
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なぜか進歩が遅れた「銃」の歴史

『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術<現代編>』
[著]ベンジャミン・フルフォード [発行]イースト・プレス


読了目安時間:4分
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 ここまで見てきたように、「闇の支配者」は、人類の発展を大きく歪めてきた。その一例として、前章では「医学」の歴史を紹介した。


 次に紹介したいのが「銃」の歴史だ。金属加工の技術と火薬の発見があれば、銃はそれほど難しい発明ではない。原理としては、鉄の筒をつくって火薬を入れ、鉄の玉を撃ち出す装置にすぎないのだ。


 しかし、銃が兵器の主役に躍り出たのは一五世紀になってから。オスマン帝国が主力部隊に採用してからだ。ヨーロッパに広がるのは一六世紀にかけて。ヨーロッパから日本に伝来したのは、一六世紀末だった。案外、新しい武器なのだ。


 世界の三大発明に数えられる火薬の発明は、七世紀の唐の時代とされている。しかし、五世紀の東ローマ帝国には「ギリシアの火」と呼ばれる火薬を使った数々の兵器があった。火薬の存在じたい、「燃える土」として、それ以前から知られていた。


 なぜ「銃」の発達は、これほど遅れてしまったのか?


 ここに何かの「意図」を感じざるをえない。


 もちろん、銃は人類をもっとも殺傷した兵器だ。こんな悪魔の兵器の発明が遅れ、発展しなかったことは、人類にとって「いいこと」──そう思いがちだろう。


 私たちは、ここでもだまされているのだ。


 銃の歴史は、必ずしも殺りくの歴史だけではない。もうひとつ、銃が普及していく過程で、必ず起きることがある。それが奴隷制度の廃止、市民の権利の向上といった、いわゆる「市民革命」なのだ。主権が国民に移る、民主主義の母胎が「銃の普及」なのである。


 そう説明すると、意外に思うかもしれない。だが、まぎれもない事実なのだ。


 銃という兵器の持つ最大の特徴は、「誰でも簡単に人を殺せる」という点にある。それゆえに大量殺りく兵器にもなりうるが、庶民を武力で支配した「武人」との格差を是正するという側面もあった。


 実際、銃が普及する以前の武人階層──ヨーロッパなら騎士、日本なら武士たちは、一般庶民に比べて圧倒的な殺傷能力を持っていた。重い(かっ)(ちゅう)を着こんで剣や弓、槍を使うには、子どものころから厳しい訓練が必要。ましてや揺れる馬上で武器を使うなど、何も訓練をしていない一般人が、おいそれと真似できるものではない。スポーツでいうならば、プロとアマぐらい違うのだ。


 少数の武人で多数の庶民を従え、その武人をさらに少数の権力者、つまり貴族や王族が庶民から吸い上げた税で養う。これが封建制度であり、王権の基本的な構図となる。それに逆らえば武力をもって奴隷にされ、あらゆる人権を奪われる。


 とはいえ武人階層は、基本的に生産に寄与せず、金ばかり使う。また、武人階層が力を持ちすぎると内乱が始まるので、権力者たちは軍事力に一定の歯止めをかけざるをえない。


 それを一変させたのが「銃」なのだ。銃で武装させれば、一般庶民も簡単な訓練で「兵」になる。「徴兵」によって、効率的かつ安定的に軍事力を維持することができる。


 ここで重要なのは、軍隊の中心が庶民で構成されるようになると、権力者が庶民を奴隷のようにこき使ったり、重税を課したりすることができなくなる点だ。自分たちの家族を苦しめる権力者に、忠誠を誓うはずはあるまい。そんなことをすれば間違いなく離反して、軍事クーデターが起こる。つまり、庶民を優遇する必要が出てくるのだ。


 それだけではない。国民の教育制度も充実する。最低限の読み書きや学力を身につけさせ、命令や指示を理解できるようにしておかないと、軍として機能しないからだ。


 これが「義務教育」の始まりである。


 国家による国民への教育は、「徴兵」とセットなのだ。


 その結果、ある程度の戦闘能力と学力を持った「市民」が急増することになる。それは奴隷の解放や、市民の権利の拡大へとつながり、最終的には憲法の制定をはじめとした国民主権の社会につながる。


 これが「銃の歴史」に隠された、もうひとつの真実だ。


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