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ニッポン非合法地帯
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雑学
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・セックスでシャブで、女を奴隷にして貢がせるヤクザ

『ニッポン非合法地帯』
[著]北芝健 [発行]扶桑社


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 セックスはとにかく金になる。この世に男と女がいる限り、セックス産業は、いつの時代もすたれることのない手堅い商売だ。人間の欲望が金を生み、また多くの悲劇も生んでいる。

 ヤクザにとって、女の体は金を生む商品だ。女を七人も八人も飼って体を売らせ、稼がせ、貢がせてシノギを得ているヤクザはザラにいる。

 ローン地獄にはまった女が、ヤクザに脅されてソープに沈められ、借金を返すために体を売らされるというのはよく聞く話だ。しかし、女に体を売らせるのは何も借金や脅し文句だけじゃない。女に言うことを聞かせるには、セックスの奴隷にしてしまうのがもっとも効果的なやり方だ。

 ヤクザは、最初は単純にセックスの対象として、甘い言葉で女を口説き落として肉体関係を結ぶ。ここまではそこらの遊び人と変わらない。しかし最終的には、金にするために女を(とりこ)にし、飼い慣らしてしまうのが、ヤクザのヤクザたるゆえんだ。

 ヤクザをはじめ悪事を働く奴らは、いわゆる精力家だ。悪いことが平気でできる奴というのは、普通の人間よりも闘争心が強く、身体能力も高いという資質がある。ケンカが強いのもそのせいだ。そうすると必然的に生殖能力も強いから、人並みはずれた絶倫ときてる。女を一晩中イカせ、よがらせ、自分から離れられない体に調教するのは朝メシ前だ。

 そんな奴に一度抱かれたら最後、たいていの女は、今まで経験したことのない強烈な快感に狂喜し、メロメロに腰が砕け、屈服する。そいつなしではいられない体になってしまうのだ。ちょっと抱いてやらないと、女は半狂乱になり、泣いて懇願する。
「お願い、抱いてちょうだい。何でもするから」と。

 あとは、女をシャブ漬けにしておけば完璧だ。シャブは精神を高揚させるだけでなく、性的能力も高め、セックスの快感を何倍、何十倍にも増幅させる。シャブを打ってするセックスのよさを一度知ったらやめられないという。

 そうなったらもう、体を売らせるのは簡単だ。女は、その男に抱いてほしさとシャブほしさで、何でも言うことを聞くようになっている。

 女に体を売らせれば、一人が月に五〇万円は稼いでくるから、七、八人も飼っていれば月収数百万円にもなる。なんともうらやましい話だ。しかし、女たちをつなぎとめるためには全員をしょっちゅうかわいがってないといけないから、体力の消耗は激しい。いくら絶倫のヤクザでも性的能力には限りがあるから、自分もシャブに頼るようになる。

 しかも、女は普通のセックスでは満足しなくなってくる。ヤクザに仕込まれて開発された上、毎日客相手にセックスしているせいで、感度や感激も薄れてくる。セックスに対してどんどん貪欲になる女たちの相手をし、自分の虜でいさせるために、男は自分のイチモツに真珠を埋め込んだり、シリコンを入れたりする。女を狂わせるための、商売道具への投資。そういう営業努力も必要になってくる。

 とにかく、そんな男に仕込まれた女は、もう元の生活には戻れない。一度人生の一線を踏み越えた女だから、普通の男はセックスや恋愛の対象にはならない。

 でも、そんな女たちも刑事は相手にするんだ。刑事は、カタギの人間でありながらもヤクザと同じ資質を持った、ある意味パワーアップした人種だからだろう。


 俺は一度、そんな女と、一晩に一五回セックスしたことがある。ヤクザの情婦だったっていう女だ。

 やってもやっても、なんだかまだその女を征服し切れてない感じがしてしょうがなかった。あの底なしの貪欲さとテクニックには、まったく恐れ入ったぜ。

 七、八回やった後、暑くなった俺はホテルの窓を開けた。するとそこは辺り一面の墓地だった。それを見た瞬間、急に気分が萎えて、さっきまでの元気はどこへやら、まったく()たなくなってしまったんだ。
「ごめん。俺もう出来ねえよ」

 うなだれている俺に、女は余裕の笑みを浮かべて言った。
「刑事のクセに、だらしないわね。私が勃たせてあげる」

 それからはまるで手品を見ているようだった。ヤクザに仕込まれた上にセックスのプロだから、すごい技術を持っているんだ。いろいろやってから陰茎と肛門の間にある「蟻の門渡り」ってやつを女が指と舌で刺激すると、さっきまでどうしても勃たなかった俺のイチモツが、嘘のようにみるみる元気を取り戻した。驚いている俺に、女は言った。
「だから言ったでしょ? さあ、早く来て」

 また萎えたら、また女がそこを刺激すれば、いくらでも勃った。その夜、俺の欲望は尽きることを知らなかった。底なし沼にズブズブとはまっていくように、いつまでも終わる気がしなかった。いくらでもやれる気がした。

 結局チェックアウトの時間までやり続けて、一晩に一五回。あんなすごい経験は後にも先にも初めてだった。ヤクザに仕込まれた女のすごさを思い知らされた一夜だった。


 さて、ヤクザの話に戻るが、究極にセックスの強い男は、イカせる回数よりも、最終的にはセックスを通じて精神的に女を征服する。そうして奴隷化した女は、次第に、たまに抱いてやれば精神的に満足するようになる。肉体は、毎日不特定多数の男に陵辱されてボロボロに疲れているから、精神的な結びつきを強く求めるようになるんだ。

 女は、そのヤクザとの最初の強烈な性の儀式がカルトになってしまっているから、抱かれる回数は減っても、まるで鵜飼の鵜のように、いくらでも金をくわえてきて差し出す。たまに抱かれる喜びを求めて。それは宗教の教祖と狂信的な信者の関係と同じ図式だ。

 七、八人の女を奴隷にするということは、そういった直接的な人間関係のカルトが七、八本できるということだ。奴らは教養こそないが、女を繰る名人だ。その手腕とセックスの強さだけは、尊敬に値する。

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