『埼玉化する日本』
[著]中沢明子
[発行]イースト・プレス
だから、こうした「高感度消費→マス消費」現象を、私は「川上から川下へ流れる」という表現で説明している。
大ヒットした映画『プラダを着た悪魔』(二〇〇六)は実在のファッション業界の大物、モード雑誌『VOGUE』(アメリカ版)の編集長で、冷酷で厳しいと噂されるアナ・ウィンターを「プラダを着た悪魔」としてモデルにしている。
メリル・ストリープが、ファッション好きなら誰もが憧れる雑誌『RUNWAY』の編集長ミランダを演じているのだが、作品中、こんな場面がある。ちなみにRUNWAYとはコレクションを発表するステージを指す言葉だ。
雑誌に掲載する服のスタイリングを検討する編集長。