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(2021/11/26 追記)

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宇宙のはじまり 多田将のすごい授業
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生き方・教養
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素粒子ニュートリノを300km飛ばす実験

『宇宙のはじまり 多田将のすごい授業』
[著]多田将 [発行]イースト・プレス


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 皆さん、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。


 多田と申します。所属は高エネルギー加速器研究機構という、つくばにある研究所なんですけれども、そのなかの素粒子原子核研究所というところに勤めております。

「素粒子」という名前からおわかりのように、僕の研究分野は素粒子物理学で、ニュートリノという素粒子に関する実験を行っています。


 物質はどんどん分けていくと……例えば人間の体を分けていくと、最初は内臓に分けられて、内臓をバラバラにすると、細胞になって……と、どんどん階層がありますよね。細胞の次は分子になって、分子をバラバラにすると原子になって……そうやって一番最後に残るもの、それが素粒子です。素粒子(物質を構成する素粒子)は12種類あって、そのうちの3つがニュートリノです。電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノと3種類あります。


 我々が行っている実験は、ニュートリノ振動実験(T2K実験)と言って、茨城県の東海村でミューニュートリノを人工的に作り、295㎞離れた岐阜県にあるスーパーカミオカンデというニュートリノを検出する装置に飛ばします。僕はその東海村にあるJ‐PARCという施設で実験装置を設計したり、実際に動かしたりする仕事をしています。


 この実験で調べようとしていることは、こういうことです。




 先程言ったように、ニュートリノは3種類あります()。面白いのは、例えば電子ニュートリノが作られた場合、それはずっと電子ニュートリノのままなのではなくて、別のニュートリノ(ミューニュートリノやタウニュートリノ)に変わったり、また元のニュートリノ(電子ニュートリノ)に戻ったりするのです。時間と共に変化していく。例えば電子()であれば、時間と共に変化したりしませんよね? 我々の体を作っている電子が別のものに変化したら大変なことですよ。でもニュートリノは変化するんです。




 我々はその変化の様子を調べています。本当はそのニュートリノを目の前において、じっと観察して時間ごとの変化を調べられればいいんですが、ニュートリノは止まることができないんです。ですから時間ごとの変化を調べるためには、ある距離をとらないといけません。そこで300㎞先に飛ばし、スーパーカミオカンデでキャッチして、どのように変化したかを見る。300㎞をどれくらいの時間で飛ぶかというと、1000分の1秒。光と同じくらいの速さです。それでもそのわずかな時間を飛んだときに、どう変化したかが見られる。そのような実験をしています。


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