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〔15〕 コガネムシ 「黄金虫」は金持ちか?

『ときめき昆虫学』
[著]メレ山メレ子 [発行]イースト・プレス


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フンの中のきらめき



 (ぬか)(びら)湖を訪ねるのは2度目になるが、4年前と同じく空は厚い雲に覆われていた。北海道・上士幌町のタウシュベツ橋梁は1930年代に旧国鉄の士幌線の橋として敷設されたが、糠平ダム建設に伴って糠平湖に沈んだ。ダム湖の水位の変動によって限られた時期だけ顔を出す橋は、「幻の橋」と呼ばれている。


 前回はぬかびらユースホステルのペアレント・塩崎健さんに案内していただき、3月に訪れた。そのときの橋は雪と氷に覆われていたが、今回は8月。ぬかびら源泉郷のひがし(たい)(せつ)自然館で行われる「ひがし大雪むしむしWEEK」に上士幌町役場の方づてに誘っていただき、まんまと再訪してしまった<※1>


 長年水と雪と氷にさらされた橋は、あと数年のうちに崩壊すると言われている。


 「いや~、この橋が崩れちゃったらうちのユースの商売には痛いですよ~。でも、10年前も『あと10年もたない』って言われてたので、けっこうしぶといんですよね!」


 塩崎さんの冗談まじりの解説を聞きながら、意図せず10年以上「閉店直前セール」状態になってしまっている橋を眺める。前回は凍った糠平湖の湖岸からのぞんだが、今回はダムの水位が低い日が続いていたために林道から橋のたもとまで行くことができた。


 「この辺は黒曜石の名産地でもあるんですよ」という塩崎さんの言葉に、目の色を変えて河原をうろつきまわるわたし。たちまち大きな黒曜石のかけらを見つけだし、たいそうご満悦である。そのとき、視界の端を虹色に光るものがよぎった。


 しゃがみこんでよく眺めてみると、それは動物のフンだった。昆虫の翅や肢がそのまま排出されて、うんこの中でキラキラと輝いている。「うんこ」かつ「バラバラ殺人」という目を背けたい要素を複数含んでいるにもかかわらず、なんとも魅惑的な眺めだ(なお、「昆虫」という要素も世間的にはネガティブ要素に含まれるのかもしれないが、あえてカウントしていない)。



 フンからの登場となってしまったこの虫が、今章の主役・オオセンチコガネだ。あとでひがし大雪自然館の方に聞いたところ、「それはおそらくキツネのフンかもしれませんね。キツネはセンチコガネ類を食べるのが大好きなんですよ」とのこと。北海道でフィールドを歩く人なら、こんな風にキラキラと光るキツネのフン<※2>を見つけることは珍しくないらしい。

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