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子どもを伸ばす母親は「話し方」が違う!
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はじめに――母親こそ子どもの話し方の先生

『子どもを伸ばす母親は「話し方」が違う!』
[著]福田健 [発行]扶桑社


読了目安時間:6分
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 子どもの成長を願うのは、親なら誰もが思うことです。そのために、親としてあれこれ言い過ぎれば子どもはうるさがるだけです。かといって何も言わなければ、どうしてよいかわからずに、子どもは途方にくれてしまいます。


 そうです。


 子どもを伸ばすには、親――中でも子どもと接する機会の多い母親のあなた――の「話し方」が、大きな力となるのです。その「話し方」を、人はどこで学ぶのでしょうか。


「毎日の生活の中」



 において、学び、身につけていくのです。


 あなたは、「子どもにとって、最高の話し方の先生は母親なのです」と、言われたら、どう思いますか。


 「困るわ。私は話し下手で、話し方の先生だなんて、及びもつかないことです」


 四十代前半の、あるお母さんは、そんなふうに、尻込みしながら、言っていました。


 でも、

「及びもつかない」

「自信がない」

「とてもとても――」


 それでよいのです。


 子どもとの、毎日の話したり、聞いたりの場において、母親も子どもも、「話し方」「聞き方」を学んでいくのです。日々のやりとりの中で、一回ごとに学んでいくとの思いがあれば、そこから気がつくことが出てきます。気づいたことは、その場で生かせるものもあるでしょうし、次の話す機会に一役買ってくれるかもしれません。



 ある日のことです。


 小学2年生の男の子が、息を切らして、帰ってきました。

「どうしたの、そんなに慌てて」男の子の第一声は「ああ、怖かった」でした。


 お母さんも「何があったの!?()き込むように問いかけました。

「公園の前の通りで、知らないおじさんに声をかけられたんだ」

「それでどうしたの」

「だから、怖かったんで、大急ぎで逃げ帰ってきたんだ」

「どんなおじさんだったの?」

「うーん、背の高いおじさんだった」

「なんて言われたの」

「よく憶えてない。太い声で『こんばんは、坊や』って言われて、後は逃げてきちゃったから」

「よかった、何もなくて」


 胸をなでおろしたお母さんは子どもを抱きしめてから、

「いつも言ってるでしょ。知らない人から声をかけられたら、すぐ逃げるのよ」

「だから、そうしたんだよ」

「ええ、それでいいの。これからも、そうするのよ」



 この、母親と子どもとのやりとりは、つい先日、若いお母さん――三十代半ば――から聞いた話です。


 あなたはどう思いますか。近頃は、「知らない人に声をかけられて、子どもが連れ去られる事件」が、新聞・テレビなどで取り上げられることが少なくありません。お母さん方からすれば恐ろしい事件であり、心配のあまり、「知らない大人から声をかけられたら、すぐに逃げてくるのよ」


 何度も何度も、言って聞かせてしまいます。


 このお母さんも、日頃から、きっとそんなふうに言って聞かせていたのでしょう。


 その結果、子どもは、

「こんばんは、坊や」


 知らない大人から声をかけられて、一目散に逃げ帰ってきたのですから、「何もなくてよかった」と、お母さんは一安心、そして「これからもそうするのよ」と、念押しをしたというわけです。


「知らない人から声をかけられたら、すぐに逃げる」


 多くの母親が子どもに言って聞かせるこのひと言。でも、それだけでよいのでしょうか。知り合いの、五十歳になる女性が、学校帰りらしい子どもに、

「こんにちは」と声をかけたところ

「なにかご用ですか」


 なんとも素っ気ない言い方をされて、一瞬たじろぎ、

「いえ、別に、用っていうわけじゃないんだけどね」


 子どもは、何も言わず、さっさと立ち去ってしまったそうです。


 知り合いの女性は、たじろいだ自分が腹立たしかったと同時に、人を寄せつけようとしない、子どもの硬い態度に、心が寒くなった、と言っていました。

「こんにちは」と、声をかけられたら、「こんにちは」と、返す。これは、生活の基本であるはず。「こんにちは」と、あいさつを返せる子に育てるのは親の役目です。それが、警戒のあまり、ただ、逃げるのみでは、あいさつのできない子ども、やがて成人しても、

「近頃の新入社員は挨拶ひとつできない」と言われる、コミュニケーションのにがてな大人になってしまいます。


 先ほどの例で、母親は

「どんなおじさんだったの?」


 と、子どもに問いかけています。声をかけられたら、あいさつを返す。そして、相手がどんな人か、どんな反応をするか、よく観察して、次の自分の出方を工夫する。


 話し方の基本です。


 お母さんも、この基本をしっかり身につけるようにする。そして、子どもの、「よく憶えていない」との答えに対して「次からは、どんな人かよく見ておこうね」と、ひと言そえる。


 話には相手がいます。その相手がどんな人で、その人はいま、どんな様子かを、観察して把握する。子どもと一緒に考えるチャンスととらえれば、先ほどの母と子のやりとりは、「話し方」「聞き方」を学習する「またとない機会」と、いえるのではないでしょうか。



 ある新聞社が、「新社会人に望みたいこと」と題して、1701人の先輩社会人にアンケート調査をした結果、第一位に上がったのが「あいさつをする」でした。


 これは、あいさつのできない若者の問題であるとともに、あいさつすることを、毎日の生活のなかで教えなかった大人たちの問題でもあります。


 子どもの話し方の先生である母親が率先して、あいさつをし、声をかけられたら、あいさつを返す。子どもは、そうした母親の姿を通じて、「あいさつできる子」として、成長してゆくのです。


 声をかけた後、相手の反応をよく見て、出方を工夫することについて、本書では、具体例を交えて、詳しく書いてあります。



 繰り返します。


 子どもは母親の話し方の影響を受けて育っていくのです。


 すなわち、子どもを伸ばすうえで、母親であるあなたの話し方が大きくかかわっているのです。だからこそ、日常生活における自分の話し方を振り返り、一歩一歩前進させることが大事なのです。


 そのためのヒント・心得を、本書からくみとってください。


 かつてはどこの家も、大家族で、子どもは大勢の人と話すことができました。現在は、核家族化が進んで、子どもが話す相手は親、中でも母親が中心です。


 母と子が、話す・聞くやりとりを通じて、ともに成長していく時代です。人が子どもの頃に身につけた「話し方」「聞き方」の心得は大人になった時、その人の力強い味方になってくれます。



 本書が、あなたのお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません。


 なお、文庫本化にあたっては扶桑社の杉田淳部長に、丁寧で詳細なアドバイスをいただきました。アンケートにご協力くださったお母さん方とともに、深く感謝申し上げます。



福田 健

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