『希望の格闘技』
[著]中井祐樹
[発行]イースト・プレス
脱力とは武道でもスポーツでも最も重要であり、また、最も難しいと言われる概念である。力を入れることは出来ても抜くことは難しい、というわけだ。力を抜くと、気合いまで抜けてしまい、うまくいかない。あるいは力を抜いて動きを良くする、その考えそのものを信じることができない。そんなケースが多いのだろう。
かく言う私も柔道部に入った当初、立ち技での組み手における力の抜きどころを注意されたり、修斗でも打撃のセクションでそのように指摘されたり、柔術に取り組み始めてからも海外の柔術家たちに「力を抜け」との指導を受けたものだ。