『あやしい求人広告、応募したらこうなった。 人気バイトの裏側「実体験」ルポ』
[著]多田文明
[発行]イースト・プレス
仕分け作業を1カ月ほど続けた頃には、私の体はボロボロになっていた。腰、背筋、腕、肘、いろんなところに痛みを感じる。しかも、作業現場に到着してまず自分のタイムカードを押すのだが、私と同じ日に採用されたアルバイトのタイムカードの数が減ってきている。ついに、この日は私のカードが1枚あるだけになっていた。軽作業をナメて仕事をした結果、その大変さに気づいてやめてしまう人が多いのだろう。そういえば、Tシャツの彼もその後、同じ作業場で会うこともなくなった。
この日は、作業途中から新しいアルバイトたちがやってきた。私は彼らの先輩格ということで、「今日からあなたはコンテナへの荷物の積み込みを担当してください」という指示が与えられた。