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あやしい求人広告、応募したらこうなった。 人気バイトの裏側「実体験」ルポ
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ルポ・エッセイ
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おわりに 「あやしい求人広告」に騙されないために

『あやしい求人広告、応募したらこうなった。 人気バイトの裏側「実体験」ルポ』
[著]多田文明 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:5分
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 これから求職しようと考えている方々のために、今回、私が切実な求職体験から学び取ったいくつかの心得を改めて挙げておきたい。


 まず、しっかりと募集要項を読み込んで、「矛盾がある内容の求人募集であれば、手を出さないこと」が大切である。どうしても求職活動中は焦ってしまい、“どんな仕事でもいいから、早く職を得たい”と思いがちだが、どうか焦らずに、しっかりと求人募集の内容を吟味してほしい。


 実は、求人募集には過酷な労働を強いたりするブラック企業以外にも、詐欺をおこなう業者がウソをついて求人の掲載をして、私たち求職者を呼び込むこともあるからだ。


 未公開株詐欺をご存じだろうか。これは金融庁に証券業の届けを出していない業者などが、証券取引所に上場していない株(未公開株)について「近々、上場予定なので、この会社の株を買わないか。上場したときには、必ず株価が上がるので儲かる」とウソの話を電話で持ちかけて、利殖に興味を持つ客から金を騙し取る手口だ。これは特殊詐欺のひとつにも分類されている。


 私はあるとき、この未公開株詐欺をおこなう業者の情報を得た。いろいろ調べてみると、何と、この会社の求人広告が、あるインターネットの求人サイトに載っていたのだ。


 その募集内容はこうだ。

「株式会社A 東京都○○区○○○丁目……不況の波に左右されず、ますます成長し続ける当社のスタッフのほとんどが未経験からのスタートです。プライベートも仕事も充実できる当社だから、未経験の方でも無理なく稼ぐことができます」


 求人職種には「企画営業で、個人に利殖投資をご案内する仕事です。株式投資が中心になります。個人投資家に対して、資産運用のご案内をおこなっております。主に内勤での営業をおこなっています。未経験でも親切丁寧に指導いたします」


 そして勤務時間は9時~18時で、給与は月給23万円と掲載されている。


 これだけを見る限り、一般的な営業募集に見える。しかしよく見ると、募集におかしな記述が潜んでいた。求人内容で「未経験でも親切丁寧に指導いたします」と(うた)っておきながら、応募資格には「未経験者不可」という文字があったのだ。


 細かいところだが、求人情報内に矛盾がある。これは求人情報を掲載するサイト運営者の、募集内容に対するチェックが甘いことを意味する。募集企業の提示する文言を、何の審査もせずに、ただ載せている可能性が高い。こうした募集内容に矛盾があるものには、手を出さないようにしたい。


 ただし、もしかすると単なる誤植ということも考えられる。どうしてもその求人に応募したい場合には、電話で記載の募集内容に食い違いがないか確かめる。また、面接先での内容が求人情報や電話で聞いた内容とあまりにも説明が食い違うとすれば、断って帰る勇気も必要だ。ひとつのウソをつく会社は、必ず二つ、三つとウソをつく可能性が高くなるからだ。


 次に、「業務内容のはっきりしない求人には気をつけること」も重要である。まったく違う内容の仕事をさせられたり、なけなしの金を(むし)り取ろうとしたりする悪徳業者も多い。曖昧な募集には、応募しないほうが賢明である。今、手元に何冊かの求人情報誌がある。なかには、どういう仕事をするのか、業務内容がよくわからない会社が存在する。


 B社の社員募集の記事では「基本給25万円+歩合制」と大きく書かれ、「頑張った分だけ、収入につながる」とあるが、仕事内容が詳しく書かれていない。募集記事にある「レジャー産業のグループ」「クラブの運営」など文言を組み合わせていくと、何となくホストクラブやキャバクラの運営スタッフを募集しているようには思える。だが、この情報からでは、何の仕事を求職者にさせたいのか、はっきりしない。


 私は以前に、これと似たような業務に電話で問い合わせをした経験があるが、これは路上を歩く人たちをお店に連れ込む、キャッチの仕事である可能性が高い。勧誘場所によっては、条例でキャッチ自体を禁止しているところもある。おそらく、違法行為をさせることもあるがゆえに、詳細な内容を求人広告に載せられないのだろう。とにかく、業務内容をはっきりさせない会社には応募しないのが賢明である。


 また、私たち求職者にとって、「働いたあとにいくらお金が手に入るのか」は、切実な問題だ。求人募集にはよく、入社後に受け取れるという給与のモデルケースが載っている。ここには本来、平均的に社員が受け取れる金額を書くべきである。しかし、なかには未経験者でも応募可としながらも、「固定給20万円プラス50万円(歩合制)」「月給70万円以上は可能」といった、高収入を得た人のまれなケースのみを紹介している場合がある。「平均的な給与のモデルケースを載せていない会社」の求人も回避したほうが無難だろう。


 求人募集には、いろんな面で“怖さ”も潜んでいるが、“情報をしっかり見極める目”を持つことができれば、必ずこれからの求職活動に役立つはずだ。


 最後になるが、本書における記事はあくまでも今回私が体験した一例であり。必ずしもそれらの求人募集に応募したら、悲惨な目に遭うといったものではない。


 求人募集に悪戦苦闘した私の求職体験を、今後の仕事選びのヒントに役立てていただければ幸いである。


 みなさまの健闘を祈る!

多田文明 

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