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■駅メロディの誕生と歴史

『駅メロ!』
[著]塩塚博 [発行]扶桑社


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 まずは、駅のメロディ、つまり「駅メロ」とは何ぞやというところから入りましょうか。

 駅メロとは、鉄道の駅ホームでお客さんに列車の発車あるいは接近を知らせる音楽、です。
「発車メロディ」という言い方もされますが、これだと発車に関する音楽だけになってしまうので、本書ではすべてをひっくるめて「駅メロ」としました。

 従来、日本の駅では発車を知らせる手段として「発車ベル」「ブザー」といった、とても刺激の強い、ともすれば「せきたてられる」印象のあるサウンドが用いられていたわけですが、それに代わり、気持ちよく爽やかに乗車を促すことを使命とした音楽として、駅メロがこの世に誕生したのです。


 駅メロの誕生・開始については諸説ありますが、1971年8月、関西の京阪電鉄の淀屋橋駅で使われたのが最初、と言われています。

 調べたところでは、曲はモーツァルト作曲のオペラ『フィガロの結婚』から『もう飛ぶまいぞ、この蝶々』の一節を社員の方がエレクトーンで弾いたものだったそうです。なお、このメロディは今でも淀駅で臨時ホーム発特急用の発車メロディとして現役!!だそうですよ。


 そして、現在の駅メロの流れの発端となったのが、1989年3月にJR新宿駅と渋谷駅に導入された音楽です。JRは1987年に国鉄が分割・民営化されて誕生しました。生まれ変わったJR各社は新しい顧客サービスに取り組み、そのひとつとして、発車メロディのプロジェクトが発足。ヤマハに駅の音響(PA)システムの開発と発車メロディの制作を依頼します。そして出来上がった音楽は、ハープや鈴といった爽やかな音色、癒やし系の雰囲気を持ったオリジナルの作品群でした。

 この初期作品は好評を博し、その後の駅メロの基礎となり、駅メロの大きな流れを生み出しました。

 他の音響メーカーも1990年代に何社か参入してきます。「ユニペックス」は機材とともに音楽も制作。松下電器(現在のパナソニック)は音楽を制作会社の五感工房(通称ジーケイ。のち、東洋メディアリンクスに再度統合される)などに外注して発車メロディを取り揃えることになります。ちなみに現在僕がお世話になっている制作会社「スイッチ」が参入したのもこの時期。発車メロディはこの10年でめざましく発展をとげ、認知と人気を勝ち得ていくことになります。


 そして1990年代後半から2000年代初頭にかけてもうひとつ生まれた流れが、「ご当地駅メロ」。『蒲田行進曲』(1997年、蒲田=松竹キネマ<現在の松竹>蒲田撮影所の所歌であったため。JR東日本のご当地駅メロの先駆けです)や『鉄腕アトム』(2003年、高田馬場=虫プロがこの地にあったため)といった、その地にゆかりの楽曲が採用され、地域の活性化、地元企業のCMといった役割を担うようになってきました。これは現在ますます大きな流れになっています。


 JR東日本という首都圏を代表する鉄道で華やかな駅メロ文化が爆発している間に、他の地域や鉄道会社も次々と駅メロの世界に参入していきます。

 関東では、京急、東武、西武、東京メトロ(地下鉄)など。そして関西でも、パイオニアである京阪のほか阪神、山陽電鉄、地下鉄など。さらには名古屋の地下鉄や、JR九州などにも。駅メロディの世界は今なお確実に広がっています。

 今後もまた新しい流れが生まれてくるでしょうし、意外な場所や、日本を出て外国にもその世界が広がっていくかもしれません。楽しみですね。


 この第1章では、そんな駅メロの初期から現在までの流れや事情を、テーマ別にまとめてみました。どうぞお読みください。
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