◎新しいものを恐れない体質
おそらく日本人は昔から、今の世界の人たちが「宇宙船地球号」と感ずるがごとく、この島を感じていたのではないか。この島の中で、宗教を振りかざして殺し合う不幸を知っていたがゆえに、お互いに手を打つという共存の道(“和”の価値観)を採ったのだと思う。もちろんそれも、共存の道を採ろう、などという計画的な気持ちからというよりは、むしろ狭い所に住む民族の知恵がなさしめたと言うべきかもしれない。
しかし、ひとたび宗教の共存が可能であることがわかれば、その後もその線で処理されるという日本人の宗教に対する体質が出来上がったことになる。