引きこもりが十年を遙かに超える長期に及び、もはや中年となってしまった人たちが増えています。いずれ親が亡くなり、すると収入は途絶える。今さら働きに出ることは、年齢からも気力からも困難でしょう。手を差し伸べてくれる友人や親戚もいない。大好きなパソコンやソフト、周辺機材は買い換えられなくなる。いや、電気代や生活費すら覚束なくなってしまいましょう。引きこもりという理由だけで生活保護を受けられる筈もない。そのときにはどうするのか。
多くの「中年引きこもり」が、「そのときには自殺します」と言うらしい。彼らの肥大した自己愛を考え併せれば、そのような返答くらいしか思いつかないことでしょう。でも本当に自殺なんかできるのか。わたしには到底信じられません。でも彼らは、結局のところ、自殺といった言葉を発せざるを得ない状況へ向かって、毎日、じりじりと歩んでいるわけでしょう。